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真夏
___プロローグ___
_日差しの強い日だった。
肌に焼けつける太陽の光が、騒がしい教室をより一層照らしていた。
__あぁ、もう。
私は少しでも涼しい空気を求め、隣の窓を思いっきり開けた。
でも、風はほとんどなく、生ぬるい空気が来るだけで、返って暑さが増すだけだった。
〔まえがき〕
はじめまして、沫と申します。
このたびはこの作品を開いていただき、ありがとうございます。
今年2025年は、記録的な猛暑をピークに、世界中で夏の熱が年々厳しくなってきています。
この現象は、”世界中で起こっていること”ということです。
「地球温暖化」__誰もが一度は耳にしたことのある言葉だと思います。
端的に言えば、人間の活動で温室効果ガスが増え、地球の気温が少しずつ上がっている現象のことです。
そんな中、私たちは何を選び、何を守るべきなのでしょうか。
少しでも地球温暖化が和らぎ、未来の夏が優しいものであってほしいと願わずにはいられません。
初めて小説を書いたので、 まだまだ未熟な部分もありますが、最後まで読んでいただけると幸いです。
※本作品はフィクションです。
実在の人物や施設などとは無関係なものとしてお楽しみ頂けると幸いです。
〔キャラクター設定〕
・主人公 : 私 ( 野沢 綾 のざわ あや)
・ 年齢/学年:中学2年生
・ 性格:内向的で、人に話しかけるのは苦手
・ 役割:台風の目では自分のペースで競技に取り組む
・ 名前 : 中川 榎恋 ( なかがわ かれん)
・ 年齢/学年 : 中学2年生
・ 性格 : 初対面でも自然に話しかけるタイプ
・ 役割 : 台風の目では主人公をサポートしたり、チームメイトを励ましたりする
(その他 キャラクター)
・名前 : 足立 ( あだち )
・職業 : 国語の先生
・名前 : 加藤 ( かとう )
・職業 : 体育科の先生
炎夏
_ あの夏の日
__あぁ、あつい、とにかくあつい。
私はこの頃の異様な暑さにとにかく苛立っていた。
唯一得意な国語の授業でさえ、集中できなかった。
「…あたかもという言葉を使って…」
国語の足立が黒板に力強くチョークで書きながら言う。
それでもなんとか机に向かおうとペンを強く握った。
__キーンコーンカーンコーン
授業の終わりを告げるチャイムの音が、流れるように耳に入ってきた。
「…きりーつ、れい。」
浅く会釈をして、教科書をまとめていた所だった。
「…あ、野沢さん!」
肩を軽く叩かれ、声のする方に思わず目線を合わせてしまった。
右斜め後ろの席の…確か「中川さん」だった気がする。
「…何か用?」
私はあまり話すのは得意ではない。
好きな時に好きなことを有効活用したいのと、必死に笑顔を作ってこうして話すのはあまり得意ではないからだ。
しかも、去年から同じクラスだっただけの彼女と、 今更「仲良くしよう?」…だなんて、滑稽にも思えてしまう。
それでも彼女は旺盛爛漫に返してきた。
「次の授業、体育大会練習だから、一緒に行こうと思って!」
(…まぁ、一緒に行く分にはいいか)
ここまで来るともう飽き飽きしてきたからか、承諾しようとする自分がいた。
「…いいよ。」
必死に精一杯の笑顔で応えた。
頭の中では、滑稽だと思わずにはいられない考えがちらついていたが…
そう瞬間、友達の声が揺れた。
「…え、今、何て…」
彼女は思わず目を大きく見開いてこちらを見つめている。
私はこの状況をどうしたらいいか分からず、声を上げた。
「…だから、いいよって。」
少し自分の声が高く聞こえて友達に「いいよ」と答えた私は、普段あまり話さないせいで、自分の声が妙に上ずって聞こえた。
その頼りない響きに、自分でも少し情けなくなって思わず視線を落とした。
「…ありがとう!野沢さん!」
その瞬間、友達の目がぱっと輝いた。
その喜びに抗えなかったのか、ふいに私の手を握っていた。
暖かさがじんわりと伝わって、心がぎゅっとなったのは…きっと気のせいだろう。
「…顔真っ赤だよ…!」
そう告げられた瞬間、頬の熱さに気づく。
…きっと、これも暑さのせいだ。
そう心の中で何度も言い聞かせた。
私は彼女のことをよく知らない。
好きな食べ物も、色も、誕生日でさえも。
私以外にも他の友達はたくさんいるだろうに。
そうこう考えていると、彼女は私の手を軽く引っ張った 。
「早く行こう、授業に遅れちゃう。」
私は簡単にまとめた教科書を机の中に無理やり押し込む。
からんと涼しい音を立てる水筒と帽子を深く被り、彼女の後ろから着いていくようにして廊下を歩き始めた。
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第1話はここまでで終わりです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
次回の更新もお楽しみに。
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