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サイレンの音が近づいてくる。
俺はその場から動けなかった。
足元には神崎。
胸が血で赤く染まっている。
ナイフは地面に落ちていた。
周りではクラスメイトたちがざわめいている。
クラスメイトA「マジでやったのか…?」
クラスメイトB「蒼井が…?」
その言葉が、胸に刺さる。
違う。
俺じゃない。
でも。
証拠は全部ここにある。
警察が校門から走ってきた。
刑事もいる。
あの人だ。
俺を見て、顔色を変えた。
刑事「離れろ!」
警察官たちが近づいてくる。
一人がナイフを拾い上げた。
もう一人が神崎の脈を確認する。
数秒の沈黙。
そして。
警察官「……死亡です」
クラスメイトの誰かが泣き出した。
刑事が俺の前に立つ。
目が鋭い。
刑事「蒼井くん」
声は静かだった。
刑事「ナイフを持っていたな」
俺は答えられない。
刑事「これは君がやったのか」
喉が乾く。
言葉が出ない。
その時。
頭の奥で、あの声が笑った。
「言えばいい」
「君がやったって」
俺は歯を食いしばる。
俺「違う」
小さく呟いた。
俺「俺じゃない…」
刑事はじっと俺を見ている。
その時。
人混みの後ろから声がした。
クラスメイト(?)「あの」
あいつだ。
左手をポケットに入れているクラスメイト。
一歩前に出る。
刑事「君は?」
クラスメイト(?)「さっき見ました」
俺の心臓が止まりそうになる。
刑事「何を?」
クラスメイト(?)「蒼井が刺すところ」
空気が凍った。
クラスメイトA「え…」
クラスメイトB「マジかよ…」
俺はそいつを見た。
そいつは俺を見返している。
目が笑っていた。
俺「嘘だ…」
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#探偵
橘靖竜
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そいつは肩をすくめた。
クラスメイト(?)「嘘じゃないよ」
そして続けた。
クラスメイト(?)「左手で刺してた」
刑事の視線が俺の左手に落ちる。
指先にはまだ、乾いた血が残っている。
俺は首を振った。
俺「違う…」
俺「俺はやってない…」
その時。
頭の奥で声が囁いた。
楽しそうに。
「やったよ」
俺は思わず頭を押さえた。
「やめろ」
「覚えてないだけ」
「やめろ!」
周りの視線が集まる。
刑事が低い声で言った。
刑事「蒼井くん」
刑事「手を出してくれ」
手錠。
その言葉が頭をよぎる。
俺は震えながら手を出した。
右手。
そして左手。
冷たい金属が、手首にかかった。
その瞬間。
頭の奥で声が笑った。
「捕まったね」
「でも」
少しだけ間があった。
そして。
「まだ終わってない」