コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
その日、私は図書室で一人、期末テストのための勉強をしていた。
問題集を広げて、苦手な数学と格闘していると、だんだん頭が痛くなってきた。
「なんでこの公式、こんなにややこしいの……?」とつぶやきながら、問題を眺める。フニャッとしてXだの、日常と何の関係があるわけー!!!???
すると、ふと後ろから声が聞こえた。
「そこ、計算間違ってる。」
驚いて振り向くと、そこには広瀬先輩が立っていた。
「せ、先輩!?なんでここに……?」
「たまたま通りかかっただけ。」と言いながら、先輩は無造作に私の隣の椅子に座った。
そして、ちらっと私のノートを見て、「教えてやろうか。」と短く言う。
「え、いいんですか!?助かります!」
私は思わず嬉しくなって、ノートを差し出した。ふっふっふー。一石二鳥!勉強も教えてくれるし先輩とも仲良くなれる?し…(悪い顔)
広瀬先輩は、相変わらずクールな表情でノートを眺め、的確に間違いを指摘してくれる。
「ここはこうやって分配して……次にこっちに代入すればいい。」
「なるほど……!」先輩の教え方は分かりやすくて、私は感心しながらメモを取っていた。
でも、次の瞬間。
「お前、まだここ分かってないだろ?」と言って、先輩が私の肩越しに顔を覗き込んできた。
「え……」距離が近すぎて、一瞬固まる。
「こっちが抜けてる。」先輩の指が、私のノートをなぞる。その指先が、やけに目についた。
「い、いま分かりました!」と慌てて言うけど、広瀬先輩は無言のまま、さらに近づいてくる。
「まだ怪しい。」と言った瞬間――
突然、先輩の腕が私の背中の後ろに回り込んできた。
「ちょ、ちょっと待ってください!?これ、何してるんですか!?」
「別に。こうした方が見やすいだろ。」と、先輩はさらっと言う。先輩……!?
でも、どう考えても、これってバックハグっぽい体勢じゃない!?いや、ぽいじゃない!もうこれ犯罪っっ!距離感つかみましょーよー?
耳元に先輩の声が響くたびに、心臓がドキドキして、数学どころじゃない!
「せ、先輩、普通に隣で教えてくれたらいいんですけど……?」と声を振り絞るけど、先輩は「いいだろ。教えやすい。」と、全然気にしていない様子。
「いやいやいや、これ、教えやすいとかそういう問題じゃ……」と私が抗議する間もなく、先輩がノートに手を伸ばして、さらさらと公式を書き込む。
「ほーら、ここも間違ってた。」
顔が近い。距離が近い。声が耳元で響くたびに、意識が数学どころじゃなくなる。
「……集中しろよ。」と言いながら、先輩は何事もなかったかのように説明を続けていたけど、私は完全にパニックだった。
これって、どういうつもりなの!?いや、教えてくれるのはありがたいけど……この体勢は絶対におかしい!
「先輩、ちょっと離れてくれませんか?」
「じゃあ、ちゃんと問題解けるようになったらな。」
「えぇぇぇぇっ!?」私はますます赤くなりながら、ノートに視線を落とした。
結局その後、先輩は「しっかり解けよ」と言い残して、何事もなかったかのように去っていったけれど、私の頭の中は先輩の声と近さでいっぱいだった。
「なんなの、もう……!」と一人でつぶやくけれど、その胸の高鳴りはしばらく収まらなかった。
先輩とかって彼女いないの?いたら私◯されますよね…?!