この作品はフィクションです。実在の人物や団体などとは一切関係ありません
深澤→「」
渡辺→『』
宮舘→《》
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深澤side
引き取り手が見つかったという話をした二人を別室に移動させ、あの廊下へとまた戻る。先程の二人がいた檻のもう一つ向こうの少し騒がしい檻の前で立ち止まる
『だーかーら、居たんだって!なんかでっけえ巨人みてえな!』
《巨人って…しょーたはいつもよくわかんないこと言ってるよね》
『りょーたは夢が無さすぎんの。自分の世界確立してるからってのもあんのかもだけど』
「115、325、ちょっと静かに」
『ん?あ、ふかざわ』
《あ、ふっかおはよう》
“しょうた”と呼ばれた色白の細っこい騒ぎ倒している方は115番。それに対して落ち着いた返答をした”りょうた”と呼ばれた何処と無くロイヤルな方は325番。この施設の人間の中では珍しく、お互いを番号ではなく名前で呼びあっている。というのも、この二人はこの施設に入ってからの付き合いが最も長い。一見真逆に見える二人だが、何をするにも共に過ごしており、もはやお互いが唯一の家族のようなものなんだと思う。
「115、深澤”さん”な。んで325は直ぐあだ名つけないの、わら」
『ふかざわ…さん、違和感しかねえだろ、俺らの仲じゃん?それくらい許してよ』
《そうだよ、もう何年の付き合いだと思ってんの。タメ口が許されて呼び名は固定って変な話じゃない?》
「いや一応看守と収容者だから!!」
《そうだけど…》
頭固いなぁ、と言わんばかりに同じような表情で見つめてくる彼らにため息をつく。こんなしょうもない喧嘩をするためにここ2往復したわけじゃねえんだよな。
「一旦話聞け?お前らに言わなきゃいけないことがあるから来たのよ」
『まあ、なんもねえのに来たらそりゃただの暇人だもんな』
《実際暇そうじゃない?》
「暇じゃねえわ!!わら」
《ごめんごめん笑 んで何?早く要件聞きたいんだけど》
「お前らさぁ……」
彼らの態度にがっくりするも、やっと話を聞く気になったようで一先ず安心する。ここに来るまでがいつも長いんだよなぁ…
「結論から言うと、二人とも引き取り手が見つかった」
《『え、急に?』》
おぉ、凄い息ぴったり。まじで仲良いな、同じような顔して同じようなポーズで固まってる。ぽかーんて感じのアホヅラちょっと可愛い
「今日の午後来るから支度しろよ。つってもこの部屋なんもねえから移動すんだけど」
『やだ』
《やだって…》
「もう決定事項だっつーの」
『…りょーたと離れるんだろ?』
「まあ順当にいけばそうなるね」
『絶対やだ、行かない』
《しょーた……気持ちはわかる、けど。外出ても連絡取り合えばいいんじゃない?》
『…やだ。ひきとりて?がどんなやつかわかんねーもん』
「なんか関西弁のよく喋る人だったよ。俺と背丈は一緒くらいで」
《…うるさいやつ嫌いだし》
『…しょーたも大概うるさいけどな』
《りょーた…?》
「ちょ、ここにきて喧嘩すな」
その後325と二人がかりで115を宥めて宥めて宥めまくって、なんとか別室へと移動させた。いやあこれは…骨が折れるな。お客様と実際に対面したときが心配でならない
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収容者リスト
115番
名前 渡辺 翔太
まだ物心がつかない頃に両親が先に天国へと旅立ってしまい、親戚内でも引き取り手が見つからず施設の前に捨てられていた。
おくるみの中に名札のような物が入っていたが、職員が見つけた時に雨が降っていたため名字が”渡辺”であることしかわからなかった
その数年後に同室の宮舘と出会い、俺も名前欲しい!と言ったところ響きが似ているからという理由で宮舘が”しょうた”と呼び出したのがきっかけで正式な名前として採用された。
どこで仕入れたのかわからない化粧品やら美容知識が豊富にあるため、肌が異常に綺麗。
推定年齢よりいつも5歳は若くみられる。
325番
名前 宮舘 涼太
唯一この施設内で生まれた人間。
同じように収容されていたある男と女が子供を儲けてしまい、そこで生まれたのが俺って訳。だそうです。
本人は両親に会いたいと言っているが、こんな場所で子が生まれるなんて事例は初かつタブーなので既に彼の両親は始末されてしまっており、二度と会うことは出来ない。
そのことは彼も未だ知らされていない。
昔から独特の雰囲気や間を持っており、職員からは賛否がわかれているようだ。
また、前記の115との関係は、名付け親であり、親友であり、家族である。
コメント
2件
どうなるんだろ〜ゆり組は離れ離れになっちゃうんですよね😭😭
引き取り手の想像はついたけど…ここからどうなるんだ!?!?✨✨✨