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⚠️死表現、戦争表現⚠️
熱異常/いよわ 様
メイン sho 、 ut
解釈違いある可能性有
sho 視点
…どれだけ走ったんやろ、息が荒くなってまで走って、銃声と人の悲鳴が聞こえて、とにかく辛くて。トランシーバーに向かって何回も叫ぶ。
「おい!誰でもええからでろよ!頼むから…」
何回呼んでも誰も応答しない。他人から見れば永遠に独り言を言うこんな俺があまりにも哀れだ。
目の前に視線を移せば煙のような物がこちらに向かって来ている。それはまるで黒い鎌を持った死神の様で。それを見れば全身を巡って電撃のように恐怖が襲ってくる。怖い。逃げたい。助けて。
この恐怖心を消したくても消したくても消せなくて、こっちに行けば、もしかしたら仲間が居るかもしれないと思った。もうこのまま走るのを諦めて、あっち側に_______
『シャオロン!お前何してん!』
「ぁ…鬱先生…」
ヒーローは遅れて登場ってこういう事か。煙を吸ってしまったのか中々声が出ずに、鬱先生に手を引かれそのまま走りだした。
走っている途中後ろを振り向けば紅く染まった空の上で三日月が笑って見ていた。
それに考えたくないし、嫌な予感だけど、すぐそこまで俺の中ではなにかが来ていた気がした。
「なぁ、みんなは?」
『分からへん、まだシャオちゃん以外…』
「そっか、鬱先生トランシーバー持っとるよな?」
『おん、持っとるで』
「なんで応答してくれなかったんや!?」
『えっ!?あ、ない!どっかに落とした!』
って笑うわそんなの、俺の心配を返せ。
「先に船で逃げたんかな、みんな」
『あー…船、な。沈んだんよ。』
と、港の方を指差され、その方向を見る。そこには青い海ではなく、赤やオレンジで綺麗に染まった海が広がっていた。
「…棺桶にちゃんと死体入れてないん?」
『入れとるで、でも結構悲惨やから見ない方がええよ。』
鬱先生が話してる途中でそんなのお構い無しで棺桶の中を見た。
『ばっ!?』
馬鹿って言いかけたんやろ。俺はホンマに馬鹿やったわ。綺麗に棺桶に籠る骸骨、何処か見覚えがあって、悲しくて、助けれなかった事が苦しくて。
助けれなくてごめんな、どうかしてるよ。俺らもアイツらも。
「どうかしてる…」
心の内で抑えておくつもりがそう囁くように呟いていた。それが聞こえていたのか鬱先生が無言でひび割れたゴーグルを渡してきた。
帽子の上から付けてみたけど似合わへんな、スキー旅行に来た人みたいな感じでめっちゃ変。普段なら誰かこれを見て笑ってくれるんやろな。今は誰も笑ってくれへん。
ut視点
ドン、と大きな爆発音がした。先に行ったはずの船が爆発したみたいだ。
シャオロンの後ろ姿しか眺める事しかできないのが悔しい。
そう思っていればシャオロン急に立ち上がって、骸骨に向かって
「じゃあな!煽りキャラは今度こそ俺が貰うで!」
なんて明るそうに言っとる。今は無理に笑わんでもええのに。
「ほら!行くで!ぼーっとしたら死ぬぞ!悲しむのは後にしなあかんわ。」
いや、今までお前の目の中の小さい星はどこに行ったん。目の中黒くて星が見えへんよ。そんな目で見ないでいつもの明るい目で俺を見てよ。
眩しっ…嗚呼、閃光や…シャオロンと一緒に逃げたい気持ちはあるけど俺はやる事があるんよ。途中まで一緒に逃げよう。シッマの為にも、シャオロンの為にも、な?
『シャオちゃん、そろそろ行くで。』