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⚠️後編ですので前編を読んでから⚠️
メイン sho 、 ut
sho視点
もうすぐ着くはず。その瞬間、バランスを崩して地面に倒れ込んだ。ここで転ぶとかダサいなぁ…
『シャオちゃん大丈夫か!?』
「大丈夫大丈夫、これぐらい平気や…」
「大丈夫」この言葉はどれだけ偉大なんだろう。この言葉を繰り返しながら立ち上がる。
本当はめっちゃ痛いよ。痛いけど、今は鬱先生の心の方がもっとボロボロなんやろ。なぁ、元の日常に戻ったらこれぐらいで泣いたら笑って心配してくれるか?
まだ走っても走っても着かなくて、もう助けてよ、助けろや神様。俺らの仲間を返せや。後ろから鮮明に悲鳴が聞こえて今にも俺は泣きそうだよ。その悲鳴にすら背を向ける。全てから今は逃げてる。
ut視点
昔シッマに言われたんよ。
『なぁシッマ、幸福って人にとっては1番幸やと思うか?』
「えぇ〜??幸せやと思うよ。でもなその幸福を手放す事も大切だと思ってる。」
『なんやそれ、手放したら不幸せやろ、』笑
「そうか?そんな事ないと思うけどな〜…」
『あ、煙草切れた。シッマ煙草ちょーだい♡』
「あごめん!俺もちょうど切れてもうたわ!アッハッハッwww」
『俺の色気返せ。』
ってこんなしょうもない事思い出すのすら懐かしい。
『シャオロン、膝から血出とるで。この鬱先生が絆創膏を貼ってやるよ。感謝しろ。』
「急に偉そうやな鬱先生。まぁありがと、てか女子力高いな」笑
シャオロンの膝に絆創膏を膝に貼る。その黒く染まった目で俺を見ないで。頼むから。いつもの目に戻ってや。
『なぁシャオちゃん。もし、来世があるなら何になりたい?』
「急に何?笑 俺来世広大な海でもええよ。」
『俺より偉くなるの禁止な今から。』
「はぁぁぁ???いつか鬱先生より偉くなるわ。」
そんな会話の背景にはキノコ雲。時間が無い。急いで立ち上がってまた2人で走り出す。シャオロンだけでも生かすために。昔の俺ならどうしたんやろ。すぐ船に逃げ込んでたかもな。笑
sho視点
2人手を繋いで一緒に逃げて、
「後ちょっとやで鬱先生!」
『…』
手から離れた感覚がした。急いで振り返れば鬱先生が立ち止まってる。なんで、逃げ場はすぐ目の前なのに。
「…なんで…?」
『あのな、シャオちゃん。俺シッマ探しに行かないとないねん。』
「はぁ?意味分からん…もうみんな…死んでるのn」
『知っとるよ。それでも幸福を手放すのも幸せの為やと思ってるから。俺とはここでさよならだ。』
こんなの現実じゃない。
「なんで、俺また1人になるん?」
『ごめんな、シャオロン。』
こんなの現実じゃない。
「1人にしないで…?なぁ…?」
『ごめん…シャオちゃん』
こんなの現実じゃない。
「っ鬱先生!行かないでや!」
『……』
そういう時に限って仲間想いだよな、鬱先生。そう思いながら走り出した後ろ姿しか見詰める事しか出来なかった。本当は一緒に行きたかった。でも怖くて動けなかった俺が情けない。
何分ここで立ち止まって帰りを待っただろうか。未だに帰ってこない。諦めるべきなのは分かってるけど。独りになりたくなかった。黒いなにかが近付いてくる、ただいま煙。いやおかえりか。お前から来たもんな。
嗚呼、すぐそこまで来た。そして
黒いなにかに覆われた瞬間目を閉じた。
・・・
「ぁ…?」
おはよう、らしい?なんだ、夢だったんか。いつも通りの日常。青い空に窓から差し込む光も、いつも通り。
顔洗って着替えて朝ごはん食べて、ただいつもと違うとなると今は1人なのが寂しいぐらいだ。
「夢…にしてもリアルな…」
考え事をしながら朝食を食べてるとやけに嫌なサイレンの音。カーテンを開けると、青い空から赤色の空へと変わっていた。
お前ら、夢オチやと思ったろ。どうやら夢じゃないみたいだ。
俺は外へ駆け出した。