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若き覇王に、甘くときめく恋を

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若き覇王に、甘くときめく恋を

172 - 第五章 彼と共に育む、真愛の形 EP.1「始まる、二人の新婚生活」⑫

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2025年05月21日

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ハーブティーの淹れ方を教えてもらい、一杯をお試しで飲んでいると、


「ここにいたのか」


目を覚ました貴仁さんが現れた。


「あっ、起きられたんですね」


「私は、うたた寝をしていたらしいな。起きたら、君がいなかったものだから」


首元に気まずそうに片手を当てる彼に、


「今、源治さんに聞いて煮出したカモミールティーを、あなたに持って行こうかと思っていて」


何も気にしないでほしいと、事の次第を話した。


「私に? すまないな」


「ううん、すまないことなんてなんにも。この紅茶、私が淹れたんですが、飲んでみてくれますか?」


源治さんが出してくれたカップに、ティーポットから紅茶を注いで彼へ差し出した。


「うん……熱っ」


紅茶に口をつけた彼が、少し慌てたようにカップを口元から離すのを見て、


「あっ……と、もしかして貴仁さんって、猫舌でしたか?」


やや心苦しさを感じて尋ねた。


「……ああ、いや悪い。とてもいい香りだ」


言いながら彼が、紅茶を冷まそうとふぅーっと湯気を吹く。


「貴仁さまは、昔から熱いものが少々苦手でして。なので紅茶はいつも少し温|《ぬる》めにしています」


すかさず口を挟む源治さんに、「……源じい」と、彼がなぜ言うんだとばかりに、カップを持ったままため息をこぼす。



クールに見えて、熱いのが苦手だなんて……。


……ギャップ萌えっていうのかな、なんだかかわいくて……。



また胸が疼くのを感じて、今日一日だけでも何回彼にキュンてさせられちゃったんだろうと、密かに指を折って数えてみる。


朝食の甘い囁きで一回に、お庭での二回、それに今の一回で、もう四回目だなんて──。


貴仁さんへ恋する想いは、結婚しても尚さら尽きそうになくて、日を追うごとにますます募っていくみたいだった。

若き覇王に、甘くときめく恋を

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