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それから数十分が経過したころ、理人は自分の身体に起きた明白な異変を自覚した。
先ほどから、内側から焼かれるような熱が身体中を駆け巡って仕方が無い。心臓の鼓動は早鐘を打ち、肺に取り込む空気すらも熱を帯びて呼吸が乱れていく。
「ふは、やっと効いてきたか?」
混濁し始めた理人の視界の中で、一臣が獲物を追い詰めた肉食獣のような笑みを浮かべた。
「お前っ、一体何を……っ」
理人は残った力を振り絞って睨みつけるが、一臣は意地の悪い笑みを湛えたまま、空になったコーヒー缶を指先で弄び、じわじわと顔を近づけてくる。
「何って? ちょっとばかし、エッチな気分になれるお薬を……な?」
耳元にねっとりと絡みつくような低い声。吹きかけられた吐息にゾワゾワと背筋が粟立ち、理人は咄嗟に一臣を突き飛ばそうと腕を伸ばした。だが、逆にその手首を容易く掴み取られ、デスクの上に押し倒されてしまう。
ガタンッ! と静まり返ったオフィスに派手な音が響き渡り、椅子が無残に転がった。 抵抗しようともがくが、薬の影響で痺れた身体には力が入らず、振り上げた拳も一臣の大きな掌に難なく押さえ込まれてしまう。
「おいっ、離せ……っ!」
「いいな、その顔。……ますます、啼かせたくなる」
一臣は嗜虐的な愉悦を瞳に宿すと、手際よく理人のネクタイを外し、その布で抗う両手首をひとくくりに縛り上げた。
「なっ、おまっ……」
抗議の声を上げようとした唇は、奪われる寸前で理人が顔を背けたことで逸れた。代わりに向かいの耳孔へ熱い舌が侵入し、ピチャリ、と卑猥な水音が脳内に直接響き渡る。
「ひっ、んぅ……は、なせっ!」
身を捩り、必死に逃れようとしても頭をがっしりと押さえつけられ、逃げ場のないまま耳の内側を蹂躙される。
「あ……っ、ん……っやめっ」
「はは、耳、弱いのかよ。ひょっとしてお前、男知ってんな?」
くちゅくちゅと粘りつくような水音がいやらしく、耳たぶを甘く噛まれるたびに理人の身体は否応なしにビクビクと跳ねた。
「はぁ……は……止めろ、馬鹿……」
「答える気無しってか? まぁいい。体に聞けばすぐわかる」
「……くっ」
生理的な涙で潤んだ瞳で睨みつけても、一臣には火に油を注ぐようなものだった。首筋を指でなぞられるだけで、甘い痺れが腰の辺りにまで突き抜ける。
「いいねぇ、その怒った顔……すげぇそそられる」
愉快そうに笑いながら、一臣の手がシャツのボタンを一つ、また一つと弾いていく。露わになった白い肌に、一臣の熱い手の平が触れた。
「っ……」
「あれ、乳首もう勃てんじゃん。へぇ、感じやすいんだな」
揶揄するような言葉に理人の頬がカッと赤く染まる。そのまま尖った先端を指先で執拗に弄られ、理人の口から「ひゃう……っ」という、自分でも信じられないほど甘い声が漏れた。
「いい声出せるんじゃねぇか。なぁ、もっと聞かせてくれよ」
「く、嫌に決まってんだろ……っ!」
悔しくて歯噛みするが、身体の反応は残酷だった。
「ふは、すげーえろい腰使いだな。乳首がそんなに気持ちいいのか? 指で弾くたびに腰が揺れてるぞ。それにほら、こっちは触ってもいないのに完勃ちじゃねぇか」
一臣はクスクスと笑いながら、スラックス越しに硬くなった理人の性器を掌で撫で上げた。
「あぁっ、やぁ……触んな、クソが……っ」
布越しとはいえ、一番敏感な場所を直接擦られ、じわりと下着が湿っていくのが自分でも分かった。薬のせいだと言い聞かせても、抗えない身体が恨めしい。
「『嫌』じゃないだろ? ちゃんと言ってみろよ。気持ちいい、ってさぁ」
「……くそ、誰が……そんなこと……っ」
「強情だなぁ。その理性がいつまで持つかな?」
不吉な笑みを漏らしながら、一臣は手際よくベルトを外すと、一気に理人のスラックスを引き下ろした。
「やめっ、見るな、馬鹿! 離せ……クソッ!」
恥ずかしさに足を閉じようとしても、一臣の膝が割り込んできて強引に左右へ開かされる。
「はは、すげーぐしょぐしょだ。先走りが糸引いてるぞ。エロいねぇ」
「黙れ、死ね! 殺す、絶対ぶっ殺してやる……!」
「そんな蕩けきった顔で凄まれても怖くねぇって。乳首もココもビンビンにして、説得力ねぇよ」
ピンと立ち上がった二つの突起を同時に弾かれ、理人は背中を弓なりに反らせた。電流が走ったような激しい快感が背筋を駆け抜ける。
「あっ、あああっ!」
「おい、今軽くイッただろ」
「は、はぁ……は、知ら、ねぇっ……」
「素直じゃねぇな。ま、そういうところも嫌いじゃないけど」
今度は熱い唇が胸へと吸い付いた。執拗に、強く、肉を食むように吸い上げられる。
「ふぁ、だめ、そこ、やめ……っ!」
「駄目って言いつつ、またイキそうじゃねぇか? 乳首だけでイけそうだな」
「はぁ、言うなぁ、馬鹿……ぁ、ぁあっ!!」
胸への執拗な責め立てに、理人の思考回路はショート寸前まで追い込まれた。今にも絶頂の波が押し寄せようとした、その瞬間。 一臣の手の動きが、唐突に止められた。