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「第二秘書ディアブロ、只今戻りました」
テンペストの我が執務室の扉が開き、いつも通り優雅に一礼するディアブロの姿があった。内心、無茶な命令を出して送り出してしまったなと思っていたので、その姿を見てホッとする。
「おぉ、おかえり!心配しちゃいなかったけど無事で何よりだよ」
「っっ……!?!?有り難き幸せっ……!!歓喜余って泣きそうですっ……」
いやいや、感極まりすぎだって。相変わらず重い忠誠心だなと思いつつ、俺は話を前に進めることにした。
「それで、仲間集めはどうだった?(スルー)」
「クフフ、リムル様にご挨拶させても問題ない、と私が判断した者が4人」
ディアブロの言葉に、俺は彼の背後に控える面々に目を向けた。
……おぉ、4人とも女性か。しかもかなりの美人揃いだ。ディアブロの古い知り合いだっけ?でも、不思議とそこまで強そうには見えない。普通の人間のお姉さんたちって感じだが……。
『告。この4名はデーモンの中でも最上位者、アークデーモンです。魔素を完全に制御して人間に擬態している模様』
脳内で知慧之王(ラファエル) さんの無慈悲な解説が響く。
……マジかよ。アークデーモンが4人も並んでるのかよ!なるほど、気配を完全に隠しているから強そうに見えなかったわけか。
「なるほど、すごい擬態だな!」
俺が素直に感心してそう口にすると、彼女たちのうち3人が「……まさか見破られるとは」と言いたげに、フッと不敵な微笑みを浮かべた。ん? 俺、なんか変なこと言ったか?
それよりも、俺の視線はある一点に釘付けになっていた。
「――って、ディアブロー!? 何でその子だけ物理で運んでんだよ!?」
ディアブロが片手でズリズリと引きずってきたのは、ぐったりとした様子の小柄な女の子だった。服の襟を掴まれて完全に荷物扱いで床を滑っている。
「これは失礼」
俺に怒られたのが相当ショックだったのか、ディアブロは慌ててその手を離した。床にドサッと落ちた女の子は、心底めんどくさそうに溜息をついている。
気を取り直したように、金髪の美女――ジョーヌが前に出てきた。
「初めまして、魔王リムルだ」
俺が挨拶を交わすと、ジョーヌは獰猛な笑みを浮かべて俺を睨みつけてくる。
「私たちの正体を一瞬で見抜くとはな。――ならば……っ!」
刹那、室内がピリリと凍りつくような感覚。ジョーヌが自身の魔力を少しだけ解放し、こちらを威圧してきたのだ。部屋の空気が一気に重くなる。
(おいおい、初手から挨拶代わりの洗礼かよ)
だが、ここで怯むわけにはいかない。魔王としての格を見せるため、俺もほんの少しだけ――本当に俺の感覚としては「ほんのちょっぴり」だけ、魔力を解放してその威圧を綺麗にいなしてみせた。
「……ほお、流石だ……我があるじ。我が軍勢200を引き連れ、リムル様の軍門に降るとしよう」
ジョーヌは満足そうに満足そうに頷き、一歩退いた。よし、まずは一人クリア。
「よろしくな!」
すかさずディアブロが「失礼しました。続いて」と次の者を紹介する。
白髪の美女、ブランが優雅に一礼した。
「初めまして、リムル様。私と配下200。是非ともリムル様の配下へとお加えくださいませ」
続いて紫髪の少女、ヴィオレが不敵に笑う。「ボクも同じだよ、です。ボクのしもべ200と一緒に、リムル様にお仕えしたいです」
「おお、2人とも頼んだぞ!」
これで合計600以上の軍勢が手に入ったことになる。大戦果じゃないか。そう思ってディアブロを見ると、なぜか彼は地面に膝をついて絶望していた。
「1000体用意するつもりが……自らの無能を恥じるばかりですっ……!!!」
「いやいや充分多いから!!!」
むしろこれ以上連れてこられたら、テンペストの宿泊施設がパンクするわ!ツッコミを入れつつ、俺はさっきから床に転がったままの、最後の1人に視線を向けた。呆れ半分、引き気味にディアブロを問い詰める。
「で、ディアブロ。お前がその物理で引きずってきた子は……?」
「リムル様、この者はルージュ系統の古き悪魔にございます。冥界から、半ば強引に連れてまいりました」
ギィ系統の、古い悪魔。原初ほどではないにしろ、そんな大物がなんでディアブロに荷物みたいに運ばれてるんだよ……。
床からノロノロと起き上がったその子は、服の埃をパッパと払うと、ケロッとした表情で俺を見上げて手を振ってきた。
「初めましてリムル様」
「お、おぉ、初めまして……!」
あまりのマイペースさに拍子抜けしながらも、俺が挨拶を返すと、その子はとんでもないことをサラッと言い放った。
「私、配下は150くらいしかいないけど、好きに使っていいよ〜」
「……は?」
俺は思わず耳を疑った。
配下、150?
原初の3人がそれぞれ200だと言っていたが、それに匹敵する規模の軍勢を、この「名前のない悪魔」が個人で所有しているというのか?
「お前、なんでそんなに配下いるんだよ!?」
俺の叫び声が執務室に響き渡る。どうやら、我がテンペストにまた一人、とんでもない規格外の新人(しかもディアブロ被害者の会)が加わってしまったらしい。俺は頭を抱えつつも、これから始まる騒がしい日々に、少しだけ口元を緩めるのだった。
コメント
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読了!めっちゃテンポ良くて一気に引き込まれたわ〜。ディアブロの重すぎる忠誠心と、ラファエルさん(智慧之王)の無慈悲な解説のコンビネーションが原作の空気そのままで安心した。物理で引きずられてるルージュ系統の悪魔ちゃんが一番気になる…あの「配下150、好きに使っていいよ〜」がサラッと怖すぎる(笑)。続きでどんな規格外っぷり見せてくれるのか、めっちゃ楽しみ!🔥