テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
…何だろう?
…なんだかふわふわする。
「…ピ…ピピ…」
…何?
私に呼びかけるのは…
「ピピピ…ピピ…」
何だよ…うるさいな…
「ピピピピピピピピピ…」
目覚ましの音で、はっと目を開ける。
そこは…
見慣れた、自分の部屋だった。
「…え?」
帰って、きた…?
鳴り続けているアラームを止めて、日付を見る。
ミアレに行ったあの日の、次の日だった。
…全部、夢だったの?
ほんとに…?
その時、自分の手の中にある物に気づく。
「…!」
それは、別れ際にカラスバさんからもらった、キーストーンのバッジだった。
「夢じゃなかったんだ…」
でも…もう、会えないの?
「おーい、起きてる?遅刻するよー?」
お母さんの声がリビングから聞こえる。
「あっ、今行く!」
私は、あわててリビングに向かった。
「えー、このイオンにこれがくっつくので…」
授業中。
なんとか、遅刻せずに学校に行くことができた。
もう三時間目になったけれど、先生の話は全く頭に入ってこなかった。
ずっと、カラスバさんたちのことを考えていたせいだ。
(…もう、ミアレには戻れないのかな…ガイたちに会いたい…)
いろんなことを、ぐるぐると考えてしまう。
気がつくと、開いたノートにカラスバさんの顔を描いていた。
他にも、ガイ、デウロ、ピュール、AZさん…ミアレのみんなを描いていた。
(また、みんなに会えたなら…いろんな事を話したいな…
カラスバさんには、どんなことを話そうか…)
キーンコーンカーンコーン。
「はい、じゃあここまでー。号令ー」
いつのまにか、チャイムが鳴っていた。
「ただいまー…」
家に帰ってきて、自分の部屋の扉をしめる。
今日一日、全く集中できなかった。
授業中、先生に当てられなくて、本当に良かった。
まあ、もしかしたら、先生も私が悲しそうな顔をしていたのに、
気づいていたんだろうな、と思う。
「……会いたいな…」
一日経っても、気持ちは変わらなかった。
もう戻れないと思うと、涙が出そうになる。
ふと、机に置きっぱなしにしていた、カラスバさんのバッジが目についた。
机に近づいて、バッジを手に取る。
ぴかわど
258
217
360
(…元の世界に帰っても、これ見て、オレのこと思い出してな…)
あの時の、カラスバさんの言葉が頭に浮かんだ。
(…戻りたい…)
バッジを、握りしめる。
ミアレに、もう一度だけ、戻りたい。
ガイたちに会いたい。
…カラスバさんに、また会いたい!!
そう強く願った、その時。
バッジのキーストーンから、紫の光があふれ出した。
「…!?」
わけがわからないまま、光に包まれる。
何か、扉をくぐるような感じがして…
一瞬、意識が途切れた。
光が収まり、目を開ける。
夕日がまぶしい。
そこは…あのとき、初めてミアレに来たときの、あの場所だった。
(え…?ここは、ミアレシティ…?)
少し遠くに、誰かの後ろ姿が見える。
見間違えるはずがない。あれは…
「カラスバさん!!」
私の声に、カラスバさんが振り向く。
カラスバさんの顔を見たら、涙があふれそうになって、
少し涙を浮かべてカラスバさんに笑いかける。
カラスバさんは、驚いた顔をしたあと、あの少し不器用な、
優しい笑顔を返してくれた。
嬉しくて、カラスバさんに駆け寄る。
今日のミアレの夕焼けは、青い空に紫が少し混じったような、そんな色をしていた。
作者より
本編はこれでおしまい!!ありがとうございました!!
ですがあと一つ番外編があるので、そちらもお楽しみに!!
コメント
1件
お疲れ様です、寺島あおいです🤍 第10話「青い空、紫少々」、拝読しました。 夢じゃなかった——手元のキーストーンが、あの日の出来事が本当だったことを静かに証明してくれるシーン、じんわりきました。日常に戻っても頭から離れないミアレのみんなの姿、ノートに描いたスケッチ…そのどれもが、主人公の「会いたい」というまっすぐな気持ちで満たされていました。 そしてラスト、もう一度だけ——と願ったときの、バッジからあふれる紫色の光と、夕焼けに染まるミアレ。カラスバさんのあの不器用な優しい笑顔がまた見られて、私までほっこりしました。「青い空に紫少々」というタイトルが、夕焼けの色にも、想いの色にも重なって素敵です。 本編完結、お疲れさまでした!番外編も楽しみにしていますね🌷