200X年。突如として、日本に『宇宙人』が現れた。
『宇宙人』の見た目は様々で、その多くがヒトの形をしている。メディアやネット掲示板によると、個体ごとに頭部が異形であったり、タコのような触手を有していたりもするらしい。
………そして、“全て”の『宇宙人』は恐るべき驚異的な身体能力を持っていて、未知の生命体を前に、日本の主要な武力機関はあっさりと壊滅した。
しかしそれは『宇宙人』の望んでいたものではなく、おおよそ日本の自滅にも見える行為だった。
『宇宙人』は友好を望んでいて、移住を第一目標に、島国であり世界的主要国である日本にコンタクトを取りにきたようだ。
将来的には、アメリカやイギリスを始め、実質的な地球への永住も視野に入れるらしい。
ーー将来的。
つまり、日本は現時点『宇宙人』という絶対的抑止力。外交に置いて、文字通りの“最強おどし”を独占している。
軍事力は言うまでもなく、”宇宙人の力がある日本”は、交渉の立場が圧倒的に強くなった。
『宇宙人』の技術により、医療に治安に交通環境。それらは瞬く間に改善され、生産効率や技術力は爆発的に向上。貿易を自由にできるようになり、日本経済はうなぎ登りになった。
誰もが夢見た理想郷であり………文字通りの、人外魔境だ。
『宇宙人』の移住。
政治的には案外、スムーズに進行した問題だったーーそう、スムーズに進みすぎたんだ。
「突如として現れた『宇宙人』ですが、まもなくして彼らは日本に永住します」
なんて、いったいどうやって受け止めたらいい?
渦中の社会に、その根源が放り込まれる。
政策や権力構造が大きく変わる。
文化や情報は統制される。
一般市民への心理的不安に構わない、募る日本政府への疑心や不満。
『宇宙人』への受け入れは、現実的な移民問題とはかけはなれていて、そのほとんどが押し付けがましいそれだった。
………その結果、日本は、一部で内部鎖国を起こした。
それが現在の日本の姿だーーずいぶんと前置きが長くなってしまったが、これからの展開を考えると、やはり前日譚は簡略にも語るべきことだっただろう。
これからの展開。それは………『僕たちの通う学校に、宇宙人が転校してくる』ということだ。
コメント
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SFと聞くと、やはり攻殻機動隊や機動戦士ガンダムシリーズを連想させる節はありますが、最近ではその解釈も広がり、ひとまとめに『ファンタジー』の枠に収まっているようですね。解釈が広がった故に大多数のうちのひとつに数えられるというのは、いささか疑問の残るものではありますが、そこは花束のようなものだと思ってもいいでしょう。実際に花屋に行ってみると、花束というのものは案外種類の選択などに制限のあるものなのですが、制限があることにより、数多とある自分のお気に入りを、さらに絞り込めるということで、そう思うと、制限というのも、それほど悪くないシステムなのかもしれません。 さて、まずは『学校に宇宙人が転校してきた 第0話』を読んでくださり、誠にありがとうございます。 本当は読み切りで投稿したかったのですが、世界観を作ると筆が進んでしまい、こんなありさまとなってしまいました………。 節ごとに区切ることも考えましたが、ここはやはり、他者様からのご感想を貰い、後のストーリーの間話に役立てたいと思いましたので、一旦、第0話として、本作を投稿させていただきました。 中学2年生らしく、現実社会を舞台とした、宇宙人共存モノを書いてみたのですが、あまりのも現実的過ぎて堅苦しいのも考えものなのですよね🙂↕️。 いろいろと(自分に)言いたいことはありますが、このままでは激重彼氏と化してしまうので、ひとまずここで区切らせていただきます。 こう言ったあとがきの真似事は、後になって恥ずかしくなってしまうものの典型的な例なので、時間が経った頃、ひっそりと削除をさせていただきます😉 これからも読みたいなと思ったら❤️ 気に入っていただけたなら、是非フォローをお願いします🥺 改めて、読んでくださりありがとうございます😭😭『学校に宇宙人が転校してきた』でした!