1;曇 り 空
高校1年生の時の話 。
クラスメイトが部活動を選んだりグループを作っているところ 、私は唯一番後ろの窓側の席で一人 、空を見詰めていた 。
一人が好き 、とかそういうのではない 。
単純に人に話しかけられない 、話しかけられないだけ 。少し寂しいけれど平気なフリをしてぼ ~ っ と空を眺めていた 。
“ ねぇ “
真後ろから少し懐かしい声が聴こえた 。
ゆっくり振り向くと髪を向日葵の様に黄色く染めた幼馴染 _______明日海蛍《あすみほたる》が私をじ ー っ と見詰めていた 。
「 蛍 」その名前を呼ぼうとしたが喉につっかえて出てこない 。き っ と 、私にその名前を呼ぶ資格は無くなったんだろう 。
中学生になった途端出来た透明な壁 。
今も消えずに私達を邪魔している 。
_______ っ と 、話がズレてしまった 。
蛍に返事を返すが食べカスの様にボロボロとした返事しか返せなくて 蛍から冷めた眼で観られる 。
「椅子 、貸して」
突然の言葉に脳が理解するのに時間がかかってしまう 。私が口をモゴモゴさせていると蛍は溜め息をつき 、私が嫌ってる言葉を出した 。
「◯◯が貸してって 言ってるんだけど」
私は首を掴まれた様な感覚がした 。
◯◯ 、その子はクラスの一軍女子でクラスの中心人物 。当然 、逆らえる訳も無くて私の様な四軍女子は見詰める事も許されず ” きもっ “ と 、下の人間を見る目で嘲笑う 。まあ 、下の人間なのは否定出来ないけどね 。
とまぁ 、反抗も出来ずに唯椅子を引き渡した 。唯一少しだけ楽になれる椅子を取られてしまったら教室を突っ立っている事しか出来ない 。薄っぺらいプライドが許さなくて仕方なく三階の図書室へ向かう事にした 。
教室を出ようとした時 、蛍とすれ違いざまに ” ごめんね “ その言葉が脳に響いた 。
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コメント
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垢作り直したら 消せんくなったの泣ける 。