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如縣 遼太
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夜が明け、第参期魔王討伐隊は、霧が立ち込める巨大な廃城の玉座の間に足を踏み入れていた。奥の闇から現れたのは、これまでの小隊長たちとは放つ威圧感がまるで違う男だった。漆黒の外套をまとい、冷酷な瞳でこちらを見下ろしている。彼こそが魔王軍幹部。しかし、その佇まいは不気味ではあるものの、“まだ”破滅的な絶望を感じさせるものではなかった。
「フン、人間どもがぞろぞろと。我が城を穢した罪、その命で購うがいい」
幹部が軽く手をかざすと、玉座の間を黒い衝撃波が駆け抜けた。
「おっと! 挨拶代わりにしては、ちょっと痛そうじゃん!」
大河蹴介が抜群の俊足で横に跳び、いつもの弾けた笑顔を崩さずに幹部との距離を詰める。
「でも、俺たちのスピードに追いつけるかな!」
「蹴介、突っ込みすぎ! …でも、僕のディフェンスラインは絶対に抜かせないから!」
童顔イケメンの緒方晴翔が、凄まじい運動神経で蹴介の背後をカバー。幹部が放った追撃の魔力弾を、サッカーのサイドバックで培った完璧なステップと体捌きで弾き飛ばした。
「勘違いしないでよね! 別に蹴介を助けたわけじゃないし、僕の目の前で勝手に倒れられるのがウザいだけだから!」
「相変わらずのツンデレだね、晴翔は。でもナイスディフェンス」
末田渉が後方でメガネの位置を直しながら、冷徹に戦況を分析する。
「敵の魔力出力は想定内。ここまでの戦闘パターンを見る限り、僕の計算式を修正する必要はないね。…まぁ、みんなが大人しく僕の指示に従ってくれれば、の話だけどさ」
「渉の計算通りだよ。みんな、敵の左側に隙がある! 一気に畳み掛けよう!」
上埜瑠偉が、メガネのない知性的な瞳で敵の死角を見抜き、爽やかな声で指示を飛ばす。
「よしきた! 俺のスピードに、ついてきな!」
石神秀都が、素の明るい笑顔のまま光の速さで幹部の側面へと回り込んだ。
「翅、合わせて!」
「了解。普通に、いつも通りやればいいだけでしょ」
可愛い顔をした綿部翅が、普通のトーンで淡々と応じ、秀都の動きにピタリと合わせて俊足を飛ばす。二人の挟み撃ちが幹部の外套を浅く切り裂いた。
「チッ、小癄の利いた真似を……!」
幹部がわずかに顔をしかめる。その戦闘力は確かに高い。一撃一撃が重く、これまでの敵とは一線を画す「まあ結構強い」レベルの実力者だ。だが、討伐隊の息の合った連携の前には、徐々に押し込まれ始めていた。
「おっしゃ、チャンスだ! プレイボール!」
井上泰輝が、まあまあイケメンな顔に自信に満ちた笑みを浮かべ、魔力球をフルスイングで打ち出す。
「裕人、トドメの一発ギャグの準備しとけよ!」
「任せとけ! 勝ったら渾身の新ネタ披露しちゃうからね!」
笠原裕人が前線でお笑い担当らしくお調子者の声を上げる。
「みんな、そのまま押し切って! 怪我は僕が全部治すから!」
お人好しの檜村賢太が、穏やかな笑顔で回復の光を前衛のメンバーに送り続ける。
「…ふん。この程度か」
最後に長田零が、完璧な容姿のまま静かに剣を構え、幹部の正面へと歩を進めた。討伐隊の誰もが、このまま押し切れると確信していた。幹部の実力は「結構強い」が、自分たちの絆と能力なら十分に勝てる相手だと。しかし、幹部が不敵に口元を歪めた。その瞳の奥で、怪しい紫色の光が妖しく明滅し始める。
「…ククク。よく動く人形どもだ。その絆、実に素晴らしい。実に見事だ……」
小刻みに震えだす敵の魔力。それは物理的な破壊の力ではなく、もっと別の、精神の奥底を侵食するような異質な波形へと変化していった。
コメント
1件
みぅだよ🤍🥀 第5話、読んだよ〜。 魔王軍幹部との戦闘、めっちゃ熱かった! それぞれのキャラの個性が生きてて、特に晴翔くんのツンデレディフェンスと渉くんのクールな分析が最高だったんだけど…。 最後の幹部のあの不気味な笑い方と、魔力の変化。 「精神の奥底を侵食する」って…ただの力じゃない、何か策がある感じがして、すごくゾクゾクしたよ。 このチームワーク、本当に強いのかな?それとも…。 続き、すごく気になる…!🌙