テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
――朝。
カーテンの隙間から光が差し込む。
愛空「……ん……」(ゆっくり目を開ける)
ぼんやりした頭の中に、残っている感覚。
(……夢)
でも。
ただの夢じゃない。
やけにリアルで、距離が近くて――
愛空「……っ」(一気に目を覚ます)
顔が一瞬で熱くなる。
愛空「……なにあれ」(布団に顔を埋める)
心臓がうるさい。
(夢で……高良が……あんな近くて)
(…なんか、変だった)
思い出そうとすると、余計に恥ずかしくなる。
愛空「無理無理無理」(ゴロゴロする)
愛空「なんで高良なんだよ……」
――いや、理由は分かってる。
(好きだからでしょ)
頭の中で、樹里の声がよぎる。
愛空「……」(固まる)
愛空「……最悪」(小さく呟く)
顔の熱が引かないまま、天井を見る。
(こんなの、知らなかった)
(こんな風に考えるのも)
(こんな風に、意識するのも)
――全部、初めてだった。
――その後。
リビング。
高良「おはようございます、愛空さん」(いつも通り)
愛空「……おはよ」(目を逸らす)
高良「?」
愛空「……」(見れない)
(無理)
(顔見れない)
高良「体調が優れませんか?」
愛空「…別に」
高良「顔が赤いですが…」
愛空「…うるさい」(即答)
(最悪だ…最悪なことを言った…)
高良「……失礼しました」
愛空「……」(さらに気まずくなる)
――近いだけで、意識する。
声だけで、変にドキドキする。
(やめてよ、ほんとに)
(今まで普通だったのに)
高良「朝食は――」
愛空「いらない」
高良「……」(少しだけ間)
高良「承知しました」
――その一言が、少しだけ刺さる。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!