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『_____君は…』
いつになっても綺麗な桜の樹の下に残る2つの影に、ひとつの色が近づく。
2つの影はその色を拒絶することなく受け入れた。
少し立ち話をした後、風に吹かれた瞬間3つの影と色は神隠しのように神社の中で姿を消した。
🌸「おーい、大丈夫か?」
📢「ん”…ピンク…?」
🌸「ピンクってなんだよ…らん先生な?それで、お前はなんでそんなとこで寝てんの。」
明るい陽が、俺の顔を照らしてくる。春の空は生暖かい。
🌸「……お前、両親は?なんで頭から血の跡があるんだよ…」
こんなに明るい春に合わないような声で、ピンクは俺に聞いてきた。
でも、どうしてだろう。何も考えられない。寒い。
🌸「いるま?おい、大丈夫か…?」
📢「…ッ…」
あ、そうだ。昨日、あのクソババアに酒瓶で殴られたんだ。
🌸「…とりま、すちのとこ行くぞ。体調悪いんだろ?勝手に病院は連れてけねぇし…」
らんは俺を背負って、持ち前の足の速さで距離のある学校へと俺を連れていった。
その間にも俺は空腹と寒気で吐き気を感じて、ろくに食べてない胃から液が上がってくるよう感じた。
🌸side
🌸「すち、今大丈夫か?」
🍵「ん?どうしたの〜…って」
🍵「その背中にいるのはいるまちゃん?」
デスクに座って光る板と睨めっこをしていたすちに声をかけた。
すちは今の時間帯だと、保護者への連絡や欠席者数の確認でもしていたのだろうか。
🌸「すまん、俺この後2年の授業あるからこいつお前に任せていいか?」
背中から伝わるいるまの温かさと裏腹に、俺は少し焦っている。理由はいるまが一言も喋らずに、荒く呼吸を紡いでいるから。
🍵「後でしっかり説明してね?いいよ。行ってらっしゃい。」
すちは笑顔でいるまを受け取った後、光る板を閉じてすぐに自分の仕事のスペースへと戻った。
📢side
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#御本人様とは一切関係ありません
現世くるり ◤ ペア画なう ◢
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凪
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🍵「いるまちゃーん、目覚めた?」
📢「ん”…すち…っ?」
🍵「すちだよ〜、軽い手当は終わらしてあるけどどこか痛いところある?」
横になって寝ている俺の上からすちは顔をそっと見して、いつものおだやかな顔をしてくる。
📢「…らんは…?」
🍵「らんらん?2年生の授業って言ってたよ。呼んでこようか?」
📢「…いや、いい。」
起き上がって周りをみれば、いつも寝ている保健室の景色が広がっている。朝にらんに背負われたところから記憶が曖昧だ。
🍵「…今日はどうしたの、頭から血なんて出しちゃってさ…」
📢「酒瓶で殴られた。んで、意識失って外で寝た。」
🍵「うわっ…そりゃあなつくんも心配するよね…」
すちからは意外な人の名前が出た。
すちとなつが話してるところなんて見たことがなかったが、意外な関係性でもあるんだろうか。
🍵「あと10分くらいでらんらんも授業終わるはずだから、その時にお話ししよ?」
🍵「だから、今はしっかり手当と休息ね?」
📢「ん、頼んだ。」
すちの冷えた指先が、昨日殴られた所を優しく触れる。もう痛くは無いが、血を出しすぎて貧血気味だ。
けど、それに気付いたのかすちが足元に畳んだタオルを挟んでもう一度俺をベットに寝かせた。
🍵「足元高くして、ゆっくり深呼吸しながら休んでね?すぐに血の巡りが良くなると思うから。」
📢「…すげぇな、流石保健室の先生だわ…」
🍵「ふはっ笑 舐めないでね 笑」
大人に傷つけられて、大人に助けられるなんて俺は誰を憎めばいいんだろう…そう血迷うくらいにはすちの優しさで溶かされていた。
🌸side
コンコンッ(扉
🍵「は〜い、どうぞ?」
🌸「よっ!いるま調子どう?」
🍵「あぁ、いるまちゃんならそのカーテンの裏。静かにしてあげてよ?」
🌸「はいはーい、んでその本人は…」
📢「あ、前髪ピンク…」
🌸「やっぱ生意気だな。」
目覚めなかった方が可愛かったが、元気そうな顔が見れて少しは安心した。
これで目覚めてなかったら、いるまの親になんて言ってやろうか悩むところだった。
🌸「んで、お前なんであんなとこに寝てた?」
📢「……言わない。」
🍵「なら俺が言っちゃお〜……えっと、家族と喧嘩したらしいよ?」
🌸「喧嘩ぁ?それだけであの怪我はおかしいだろ……」
🍵「普通じゃない?俺のところもそうだったし。」
普通がどうとか言われても、基準が分からないのでなんとも言えないが喧嘩だけであの傷を負ったならびっくりだ。
いるまと家族が仲が悪いことは何となく雰囲気で分かるが、そんなに激しい喧嘩もするのか……
🌸「って騙されねぇからな?」
🍵「あら、バレちゃった…」
📢「めんどくさ、教室戻っとけよ…」
どさくさに紛れて嫌味を言われたが、まぁあんまり効いてない。
それより、すちが嘘を隠し通さなかったということは本当はすちも言いたかったということだろうか。
📢「んで、言えばいい?」
🌸「当たり前だろ、全部言え。」
📢「…酒瓶で殴られた、んで意識失ってた。」
ん?酒瓶……??
🍵「いるまちゃん、らんらんにも話してないの?」
📢「言わねぇよ、すちとなつだけ。」
🍵「俺らだけ特別みたいで嬉しいけど、らんらんには言ってもいいと思うよ?」
🌸「……ん?すごく嫌な予感しますけど……」
📢「おいらん、警察には言うなよ?虐待が理由で親が捕まってもおもろいけど、財源が無くなる。」
🌸「…それは先生として良くねぇけど…」
🍵「まぁまぁ、笑 昨日のクライアントの子が願ってた相手だよ?」
🍵「もう少し、様子を見てもいいんじゃない?」
裏のある笑い方って、やっぱすごく見分けずらい。でもすちはその才能があるからどれがどんな感情の笑顔なのか分からない。
🌸「……へぇ…昨日のね…」
📢side
あの後、らんとすちはふたりでなにか話してた。クライアントだとか、願うとか色んな言葉が聞こえたけど何を話してたか分からない。
けど、俺は体調も良くなったから久々に校内を歩くことにした。
📢(どこも、授業中だな。
生徒が授業中に校内を歩くなんて異端だが、俺はそれを見逃されてる立場だ。
どの先生も俺を説得しようなんて思わない。逆に俺を反面教師として生徒に見せることで校則を守らせようとする。
「お、紫暮。なにしてんだよ?」
📢「…歩いてる。」
「それは見ればわかるけどよ…授業はいいのか?俺が特別に教えてやろうか?」
📢「いやいいっす、勉強なんて出来ないんで。」
この人は確か、体育科の先生だ。分け隔てなく人と接するから校内でも人気の先生。
「そういや、楔しらないか?」
📢「楔…?なつのことっすか?」
「そうそう、楔とお前帰り一緒だろ?昨日から帰ってきてないそうなんだ。」
📢「…ッ…は?」
なつが帰ってない…ッ?
昨日はなつと一緒に帰った。なつの玄関前で別れて、俺はそのまま自分の家に向かった。
…なのに、帰ってない…?
📢「…ッ、しらない…っす…」
「そうだよな…俺達も一応警察に話したんだが桜乃神社辺りで姿が見えなくなったそうなんだ。」
「もし、時間があったら楔に電話とかしてやれねぇか?」
📢「わかり…ました…ッ」
「桜乃神社」
そこはこの街、一番の行方不明者数が多い神への場所だと言われてる。
📢(なんで…ッ、なつはそんなとこに行ったッ?
怖いのが嫌いで、あいつがひとりでそんな場所に行くとは思えない。
🌸「あ、いるまと山田先生…!」
「らん先生、授業は?」
🌸「あ、すいません。俺の生徒を連れていこうと思いまして…」
📢「…っ、たったった(走」
🌸「あ!おいっ!」
たったった(走る
授業になんてこんな状態で出れるわけがない。
なつがいない教室になんの意味がある?俺の味方は誰がいる?
らんもすちも、なつが居なくなったことを教えてくれなかった。それはなんで?
📢(なつ…ッ!
後ろから名前を呼ぶ声が聞こえても、無視して走り続けた。
その頑張りを見放すかのように、段々と声は聞こえなくなった。
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