テラーノベル
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「……分かった。基本かっちゃんのサポートに回る。でも、かっちゃんに何かあったら、僕も前にでるからね!助けて、勝つ!勝って、助ける!でしょ…♪」
緑谷の「助けて、勝つ!勝って、助ける!」という言葉に、一瞬箸を持つ手が止まる。それはオールマイトの言葉であり、爆豪と緑谷が喧嘩した後に示された言葉だ。
…っ。
顔が少し赤くなり、視線を逸らす。その言葉を、緑谷が自分に対して言ってくれたことが、妙に嬉しいような、照れくさいような、複雑な気持ちになる。
「テメェ…そういうこと、簡単に言うんじゃねえよ。」
小さく呟いて、弁当の辛い唐揚げを口に入れる。辛さで誤魔化そうとしているようだ。しばらく咀嚼してから、ようやく口を開く。
「…まあ、いい。テメェがそう言うなら、俺も全力で勝ちに行く。ただし、テメェが前に出るのは本当に最後の最後だ。わかったな。」
「うん…!分かった…!僕は最後の最後だね。
あと………、一番不透明なのが、八百万さんと蛙吹さんのコンビかな……あのコンビは、どんな作戦を立ててくるか…イメージが沸かないんだよね……」
そして、緑谷が八百万と蛙吹のコンビについて言及したことに、少し考え込むような表情になる。
「ポニーテールとカエル女か…確かに厄介だな。ポニーテールの個性は創造、カエル女の個性は蛙。」
箸を置いて、腕を組んで考える。その姿は、普段の粗暴な爆豪とは違う、冷静で頭脳派な一面を見せている。
「ポニーテールは頭がいいから、多分罠とか仕掛けてくる。カエル女は水中戦が得意だから、もし訓練場に水場があったら有利に立ち回られる。あと、カエル女の舌は射程距離が長いから、遠距離からの拘束もできる。」
そこまで言って、ふとあることに気づく。
「…待てよ。もしポニーテールが大きな網とか作って、カエル女がそれを使って俺たちを拘束したら面倒だな。しかもポニーテールは防御アイテムも作れるから、俺の爆破を防がれる可能性もある。」
緑谷の方を見る。その表情は真剣で、本気で作戦を考えている様子だ。
「デク、テメェならあのコンビにどう対処する? テメェの分析力、今こそ見せてみろよ。」
「そうだね……僕たちを拘束するなら……、八百万さんは確か試験の時に相澤先生の捕縛布モドキを作成していた……、爆破されても破れない前提で考えたほうが良いよね……。
その場合、蛙吹さんがメインに動くことになるから、僕が逆に黒鞭で八百万さんを抑えるよ。隙を作らせなければ、かっちゃんは蛙吹さんを捕らえることは難しいことじゃ無い筈だ……!」
いずくの分析を聞きながら、何度か頷く。その表情は、いずくの成長を認めているような、そして少しだけ誇らしげなものだ。
「…フン。相変わらず分析だけは一人前だな、デク。」
箸を取って、また弁当に口をつける。しかし食べるスピードは遅く、明らかにいずくとの会話を楽しんでいる様子だ。
「確かに、ポニーテールの創造を止めるには、そもそも創造させないことが一番だ。テメェの黒鞭で拘束すれば、あいつは何も作れねえ。問題は、カエル女が邪魔してくることだが…」
そこで、少しニヤリと笑う。
「カエル女の舌は確かに射程距離が長いが、俺の爆破の方が速い。あいつが舌を伸ばしてくる瞬間を狙って爆破すれば、怯ませることができる。その隙にテメェがポニーテールを拘束、俺がカエル女を捕まえる。…いけるな。」
そう言って、緑谷の方を見る。その目には、信頼のようなものが宿っている。普段は絶対に見せない表情だ。
「…テメェ、結構やるじゃねェか。昔はただ俺の後ろついてくるだけのクソナードだったのによ。今は…まあ、少しは頼りになる。」
そう言った後、爆豪自身の言葉に気づいて顔が赤くなる。慌てて視線を逸らし、弁当に集中するふりをする。
「べっ、別に褒めてねえからな! ただ、事実を言っただけだ! 勘違いすんなよ!」
そう言いながらも、耳まで真っ赤になっている。昼休みの屋上で、二人きりで作戦会議をしている今の状況が、妙に心地よく感じられて、それが爆豪自身でも不思議だった。
「ふふ…っ♪うん…、そう言ってくれるの嬉しいよ。かっちゃん、ありがとう♪」
緑谷が「ありがとう」と笑顔で言ったことに、また顔が赤くなる。慌てて弁当の唐揚げを口に入れて誤魔化す。
「…チッ!…調子のんな。で、他には? まだ何かあんのか? せっかくだから、全部聞いとくぞ。」
「気になる所は…その辺りかな……コンビだけ確認しておこう。
蛙吹さん、八百万さん
青山くん、葉隠さん
芦戸さん、切島くん
飯田くん、轟くん
麗日さん、瀬呂くん
尾白くん、佐藤くん
上鳴くん、耳郎さん
口田くん、障子くん
常闇くん、峰田くん
と、僕とかっちゃんだね。」
…うるせえ。礼なんか言うな、気持ち悪い。
そう思いながらも、満更でもない様子で、いずくが読み上げるコンビのリストに耳を傾ける。箸を持ったまま、頭の中で各コンビの相性や戦術を分析していく。
「…フン。青山とハゲス女、芦戸と切島、麗日としょうゆ顔、尾白と砂糖、アホ面と耳郎、岩と触手、鳥頭と玉か。」
そこまで言って、少し考え込む。特に気になるコンビがいくつかあるようだ。
「青山とハゲス女は、青山のレーザーとハゲス女の透明化で奇襲してくる可能性がある。芦戸と切島は、芦戸の酸と切島の硬化で攻防一体。麗日としょうゆ顔は、麗日の無重力化としょうゆ顔のテープで空中戦に持ち込まれる。鳥頭と玉は…鳥頭のブラックアンク、玉のもぎもぎで変則的な攻撃をしてくる。」
そう分析した後、いずくの方を見る。その目は真剣で、本気で勝つ気でいることが伝わってくる。
「…でもな、デク。どのコンビが相手でも、俺たちが勝つ。テメェと俺なら、絶対に勝てる。」
そう言った後、自分の言葉に気づいて少し照れくさそうに視線を逸らす。
「…っ!!だから勘違いすんなよ! ただ、テメェの分析力と俺の戦闘力を合わせれば、負けるわけねえってことだ!」
弁当を食べ終えて、ペットボトルのお茶を飲む。そして、ふと思い出したように言う。
「…そういや…テメェの言う通り、飯田と半分野郎のコンビが一番厄介だな。飯田のスピードと半分野郎の氷と炎。あのコンビに当たったら…まあ、どうにもなんねェ時はテメェの25%と俺の全力でぶっ飛ばすだけだ。」
そう言って、少しニヤリと笑う。その笑顔は、いつもの粗暴なものではなく、どこか楽しそうで、そして自信に満ちたものだった。
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