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「佐倉、見つけるの上手いね」
「りゅうちゃんは隠れるの上手いね」
女の子の名前は
佐倉と書いて “ さくら ” と言う
あの子からは、” りゅう “ と呼ばれていた
あの頃は、楽しかった 本当に幸せだった。
「りゅうちゃん!いいお知らせがあるの」
「なぁに、」
佐倉は霊感があるわけではなかった。でも、佐倉は俺をみることができた
俺は座敷わらしだ。少なくとも幸せを運ぶことができる
好きな相手に…佐倉に、幸せを少しでも運んであげたかった
佐倉が居なくなる前に、好きと使えたかった
「わたしね、東京に 引っ越すんだ」
まだ未完成じゃなかった俺には、人間のいう言葉が、理解するのに時間がかかった
東京、そこはどこなの。佐倉が幸せになれる場所なの?
……それでも、離れ離れは嫌だ
「だからね、りゅうちゃんとは、」
「やだ_」
俺がそういったとき、佐倉は喜んでくれると思った。あの時、佐倉はひどい顔をしていたね……
「佐倉は、俺の事嫌いなの…」
「…」
佐倉は、困った顔をしていた。ごめんね、ごめんね。そう謝りたかった
最後に、最期になるなら佐倉は俺を見つけてよ
「りゅうちゃん、みーつけた……」
その日以降、佐倉は俺に会いに来なくなった。佐倉のお家は、お葬式というものをしていた
黒い服を着て泣いている佐倉の、家族が見えた。その時、佐倉のお母さんと目があってしまった
見えないはずと思っていたけど、しっかりと見られていた
俺に近づくと、その人は俺にこういった