コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
廃工場の冷たいコンクリートが、戦いの爪痕でひび割れていく。
乱歩は静かに息を整え、隣の有栖川とポオの動きを見渡した。
「俺たちの推理は確かだ。ディケンズの異能には“必ず欠落”がある──まるで、物語の書き忘れたページのように。」
有栖川は、破れた書類の切れ端を拾い上げる。
「この断片……まるで逆説的な記述だ。
物語の世界と現実が逆転する、でもその時点は書かれていない。」
ポオは眉をひそめて言う。
「乱歩、君はいつも直感で動くけど、僕はもっと緻密に積み重ねたい。
だが、君の直感は否定できない。」
乱歩はにやりと笑う。
「ポオ君も変わったな。昔はもっと冷静だったのに。」
ポオは少し照れたように俯いた。
その時、末広鐵腸が刀を振るい、敵の幻影を一刀両断する。
「物語の中にいる敵は、絶えず形を変える。だが我が刃は、その本質を斬り裂く。」
条野採菊は、静かに仲間の後方を守る。
「私の役目は、皆の安全を確保すること。」
織田作之助は、煙幕を放ち敵の視界を奪う。
「敵の動きを止める。策は尽くす。」
敵のディケンズは、書物のページをめくり続ける。
「物語を書き換えられた世界で、君たちの運命は決まっているのだよ。」
乱歩は強く拳を握った。
「まだだ。物語は読者の手にある。俺たちはその“真実の読者”だ。」
有栖川は静かにうなずき、ポオもそっと乱歩の肩に手を置く。
「三人でなら、どんな嘘も暴ける。」
伊坂は静かに因果の輪を回す。
「だが因果は予想外の動きをする。虚筆連盟はそこに目をつけている。」
異能と推理の交錯。
物語と現実の狭間。
国家を揺るがす戦いは、まだまだ続くのだ──。