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その声に全員が振り返る
ネナ「部長!」
ヌキオ「徳田君に雷堂メラについて調べて欲しいと言われてね。
その〈顔の傷〉にピーンと来たよ。
君は以前、火事の現場から妹さんを救い出した事で新聞に取り上げられていた少年だね?」
ヌキオは懐から新聞を取り出し、スッと前に掲げる
そこには、大きく『塾で火事』と書かれた文字と、ガッチガチに緊張した小さなメラが写っていた
メラ以外の5人は瞬く間にその新聞に齧りつく
ジンペイ「めっちゃ照れ臭そうじゃん!」
アゲハ「メラ先輩の目、小さい頃はこんなに大きかったんだ…。可愛い…」
メラは茹蛸の様に顔を赤くして唇をわなわなと震わせる
メラ「そりゃそうだろ!!全国紙だぞ!!/////」
マタロウ「きっとそれ以来、メラ先輩は人助けを獅子黒に任せ、自分が何かする時も悪ぶって…
落ちてた空き缶を蹴り飛ばすフリをして屑籠に入れたり。
落書きをするフリをして壁を白いペンキで塗り直したりした。
お婆さんの荷物をひったくったというのも、重い荷物を持ってあげる為……」
マタロウ「全ては褒められるのが苦手なメラ先輩の弄れた優しさだったんだっ!」
マタロウは胸の前で手を組んで、メラのカッコいい後ろ姿を想像した
フブキ「なぁんて拗れた性格なのっ!?」
メラ「何!?///」
ジンペイ「メラは弄れ捻くれ良いヤツだったって事だな♪」
ジンペイもうりうり♪とメラの事を茶化す
アゲハ「メラ先輩…可愛い……////」
メラ「はぁ⤴!?ぉぉぉぉ俺は可愛くなんかねぇッ!!///////」
アゲハに言われたら、そりゃあ照れるわな(((
メラはお湯沸かせそうなくらい顔を真っ赤にさせる
ヌキオ「違うぅ……僕が求めているのは、こぉんなお涙頂戴の美談なんかじゃない…!!」
明らかに様子の可笑しいヌキオの声を聞いて、一同は咄嗟に其方を振り返る
ヌキオ「もっと過激なスキャンダルなんだあぁぁぁ!!」
ネナ「ぶ…部長!?;」
頭を抱えるヌキオからは禍々しいオーラが放たれる
その後ろでは眼鏡を怪しく光らせた臼見沢が佇んでいた
臼見沢は予め抜いておいた髪の毛に自分の息を吹きかける
それは虫のように蠢き、ヌキオから放たれているオーラに潜り込んだ
すると、そのオーラが凄まじい威力の炎に豹変し、一瞬犬の顔の様なものを作り出す
アゲハ「あっつい!」
ジンペイ「なんだこりゃ!?」
ヌキオの周りに犬の様な模型が出来上がると、ヌキオから炎のオーラが完全に抜き取られる
ヌキオは力尽きたかのようにドサリとその場に倒れ込んだ
完全な形になったソイツ、怨霊『スキャンダルメシアン』は雄叫びを張り上げる
スキャンダル「ウオォォオォン!!」
メラ「皆、離れてろ!!此処は、俺と獅子黒で片を付ける!」
メラは獅子黒とともに前に進み出て声を上げる
スキャンダルメシアンはかかってこいとでも言うように再び雄叫びを上げると、口からオレンジと紫の炎を吹き出す
それは瞬く間に2人を周りを取り囲み、あっという間に炎の渦に呑み込まれてしまった
メラ「ァチッ…」
獅子黒「クッ…!」
2人はバチバチと飛んでくる火花を腕で防ぐ
コマ「どうやら、メラ君よりも強力な炎の使い手見たいだ…」
アゲハ「メラ先輩!!」
メラ「クッソ!立ってるだけでパワーが奪われていくみてぇだ…!」
メラはがくりと地面に膝をつく
獅子黒「何という妖力…」
獅子黒も地面に膝をつき、手の甲を額に当てる
メラ「この絶望感……」
メラ「フッ…あの日と同じだな……お前と再会した、あの日と……!」