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昔、死にかけたことがあった。
あまりに小さい頃の記憶であったため詳細は覚えていないが助けられた存在だけは覚えている。
鉄製の武装をして腰には剣がある、体格はよくケガをした俺を包み込んで魔法を使い癒してくれた。
その光景だけを鮮明に覚えている。
それから俺は恩人であるあの人のように騎士になりたい!と強く思うようになった。
しかし成長とともにそれがどれだけ無謀であることなのかを知った。
魔術はおろか、剣技など全く才能がなかった、俺は騎士には到底なれない、そうずっと思っていた。
けど、そんな俺にも光が舞い降りた。
「母さん、みてみて!」
とある田舎の家にて少年の声がする。
「まぁ、」と彼の母は驚いていた、無理もない。
剣術や魔術などの戦闘には全く才能のない自分の息子が実技試験は赤点だったはずなのに、彼の手のなかにある紙には合格!という文字。
そう、筆記試験のみで彼は有名な騎士学院に受かったのだ。
「やったー!」と少年は浮かれている。
「でもあんた、実際に現地にいったら痛い目みるわよ?」
「ぐっ、それは、頑張るから」
図星、という顔をしている筆記試験のみで受かった、など劣等生といっても過言ではない事実、受かったものたちはみな何かしらの才能がある。
これはそんな才能もない筆記試験だけで受かった劣等生の物語。
ガタゴトガタゴトと馬車が揺れていた、自国を離れ今から都会の方にあるラタール学院と呼ばれる騎士団養成学院に俺は向かっている、入学に馬車を手配してくれるとは、さすが有名校といったところか。
あまり馴染みのない貴族のような服をきている、とはいえポロシャツに刺繍の美しいマントのようなものを羽織っているだけではあるのだが。
田舎育ちという理由で都会の服装はわからない、このような服装は高貴なのか、一般的に使われるのか。
騎士団養成学校にはたくさんの才能を持つ卵たちが集まる場所だ、本来俺のようなものが来る場所ではないのだが、筆記試験のみで何故か受かってしまった。
毎年入学者は少なく、その定員に入らなかったから俺を無理やり入れたのであろうか、いやそうとしか考えられなかった、あのときは有頂天な気分でいたが今、冷静に考えると中々厳しい生活になるのではないかと少し恐怖を抱いている。
そういえば、この馬車は複数の新入生が乗っている、事実、目の前に二人の獣人がいる。
一人はがたいのよい猫科(ライオンや虎などの猛獣に近い)もう一人は自分と同じ犬科。
ここで一言、とても気まずい、いやいや初対面の相手二体にどう接しろと?誰か喋ってくれないかなぁ。
「よぉーてめぇらも新入生か?」
片方のがたいのよい猫科の獣人が喋りだした、もう片方の犬科の獣人君は無視をしている。
「うん、そうだよ」
さすがに俺も無視してはかわいそうなので返事をしておいた。
「無視すんなよなー聞いてんのかー?」
犬獣人君は明らかなダル絡みにキレそうだ。
「やめろ、ブッ飛ばすぞ」
み、見た目のわりに恐ろしい子……。
「つれねぇなぁ」
「俺はアラド、よろしく」
自己紹介を軽くしていおいた、いち早くこの空気感を変えなくては。
「おう!俺はオスカーだっ」
「…………セト」
友達関係が入学以前にできそうであり少し安心した。
「オスカーは実技試験の点数すごそうだけど、何点だったの?」
「お前!見る目があるじゃねぇか!」
「うわっ、」
肩に思いっきり腕を乗せてきた、その腕は筋肉質であり彼のからだがでかいことを実感させてくる。
「え、ただの筋肉バカじゃって僕は思ってたけど」
「セト辛辣ー」
少しだけ馬車内が賑やかになっていた、でも、この人たちに俺の入学経緯がばれたら…………友達じゃなくなってしまうだろうか……?
「みんな実技で受かったのか?」
「あたりめぇだろ!俺は五科目合計450点だったぜ!」
「…………それってすごいの?」
彼がいうにはすごいらしい、まぁそうだろう、合計が450ということは一教科90点をとっていることとなる。
「セトは?」
「…………推薦」
「はぁ!?お前、そんな強ぇやつなのかよ!?」
「推薦の場合強さだけじゃないでしょ」
「親が学院の方に関係が深くてコネみたいなもんだよ……」
あっ、これあまり聞かないほうがよかったやつだ。
「なんか、ごめん」
「えっ、何に謝ってるの?気にしてないよ」
「アラド、てめぇはどうなんだよ?」
一瞬喉が詰まった、筆記試験で受かった、なんていったら、仲間外れにされてしまうだろう、仕方がない、ここは嘘をつこう。
「あー、俺も実技で、ギリギリだったね」
「ていうことは380とかそこらか?」
「う、うん」
いや知らねぇよ!合計点こちとら180だぞ!と内心思った。
馬車の揺れが止まる、ということは目的地についたということだ。
「おっ、ついたか?」
最初に外へとびたしたのはオスカーだった、抜け駆けされた!とセトもとんでいった、待てよ!と俺もとんでいった。
学院を実際に見るのは初めてだ、こうみるととても大きい、寮もなかにはあるのだから当然なのだが、田舎者の自分からしたらこれだけみても都会だと思ってしまう。
中に入ると王宮かよと思うような空間が広がっていた、そこには生徒たちがたくさんいる、2、3年生だ。
ほとんどの人は獣人である、理由はしっかりある。
王族事態、獣人族の王族がほとんどであり人間の王族はあまりみたことがない、ここは貴族は全員来るといっても過言ではないため第二王子などの高貴な存在は何人かいてもおかしくないのだ。
そもそも人間と獣人では力の差が激しい、騎士や兵のほとんどは獣人であったりする、人手不足のところは人間を雇っているという感じだ。
「お前ら、新入生か」
一人のドラゴンのような獣人が喋りかけてきた。
「あ、はい、そうっす」
「ようこそ、ラタール学院へ、私はウォーロックだ、ウォーロック教官とよぶがいい」
「アラドです」
どうやら教師のようだ、筋肉質な体であり騎士、という感じがある。
そういえばオスカーたちはどこに行ったのだろうか。
どこだろう、と辺りを見渡していたら何やら怒号が聞こえた、その声はついさっき聞いたことのある声そう、オスカーだ。
オスカーと隣にいる高貴な黒豹のような獣人が対立していた、それを間にもう一人のメガネをかけた、茶色のようなクリーム色のような毛をしている犬獣人が止めに入っていた。
「てめぇ!ムカつくんだよ!なんでも貴族だからって傲慢な態度とりやがって!」
「平民が貴族と話せるだけ感謝してほしいものだ、私にとってはお前が不愉快で仕方がない」
感情的になっているオスカーに対して相手の貴族は冷静に対応している、しかし内容は貴族のほうが悪そうである、ていうかなに?あの横柄な態度。
「うわー、オスカーやってんな」
「うわっ、セト、どこいってたの」
いきなり隣からセトが現れた。
「あれ、ガンダーラ王国の第三王子だよ、剣術の才能がずば抜けてるんだ」
「そう、なんだ」
貴族をこのめで見るのは初めてだ、田舎で暮らしていた以上見る機会などなかったから。
やはり貴族は幼いときから鍛えられているのか、面構えが明らかに違う、とりあえずオスカーを止めるとしよう。
「オスカー?やめといたら?」
「でもよ!こいつが悪いだろ!?貴族だからって平民に横柄な態度をとっていいわけにはならないだろ!」
オスカーがいうことは最もだ誰がどのような存在であろうと、自分が上だからと人を見下してはいけない、それは、弱者がやることだからだと俺は思っている。
「ふん、貴様ら平民で戯れているがいい、俺に関わるんじゃないぞ、汚れるからな」
確かにムカつく喋り方である、しかし、ガンダーラ王国といえば誰もが知るとても大きい国、身分がそこらの一般人とは天と地の差があるであろう。
「貴族だからってその喋り方はないと思うんだけど、失礼すぎない?」
「失礼なのはそちらであろう?貴族に敬語も使わず喋るとは愚かがすぎるぞ、俺は貴様らとは違い才能があるからな、平民どもは大人しくしてろ」
いい加減にしろ、とオスカーは殴りかかるくらいにはなっていた、しかし。
「はい、一年ども、そこまでな、ニルもそこまでにしとけ」
(ニルっていうんだ、)
そこで間に入ってきたのはもう一人の教官である犬科の獣人、メガネをかけていて一見穏やかそうな人にみえる。
「もうすぐ寮に移動しますから、準備しておくんですよ、ウォーロック教官が案してくれますから」
いよいよ寮がみれるのか、とワクワクして待っていたところ、これまた遠くのほうでなにやら揉め事が、いや入学初日から問題が起きすぎでは?
「暇だし見に行かね?」
「賛成」
「えー、まぁいいけど」
仕方なく、という感じで俺は揉め事の場に向かった。
「おいおい、ここは人間が来るような場所じゃないぜ?部外者はとっとと帰りな」
一人の狸?のような獣人とフードを被った男が対立していた。
フードでは隠しきれていない首や口付近をみると、毛はなくスベスベな肌、そう、人間だ。
人間はほとんどのケースでは来ることはないのだが希に定員に入らなかったときとかに無理やりいれられることがあるらしい。
しかし彼はなぜ顔を隠したがるのだろうか?ブスだから?
でも今度はすぐに教師が止めに入った。
「こら、止めなさい、人間だから何ですか、彼は才能の塊ですよ」
「ふん、ニル様には手も足も及ばないだろうがな」
鼻をならしてその場を去っていった、その光景をみていたら、横からウォーロック教官が喋りかけてきた。
「おい、寮を案内するぞ、ついてこい、そこの人間、お前はまた別寮だからもう少し待っていてくれ」
寮はいたってシンプルな部屋であった、とはいえ自分の家よりは何倍もきれいな部屋である、どうやらトレーニングルームなどもあるらしく充実した生活ができるであろう。
部屋はちょうど三人部屋でありそこそこ広々とした空間である。
「一階のホールが夕食をとる場所だ、時間になるまでは基本自由時間だぞ」
と、いうことで自由時間である、とはいえやることが少なすぎる。
やることもなく廊下を歩き回っていた、するとある人物をみつけた。
「あっ、ニルだ」
「様をつけろ、平民」
相変わらずうざいやつ、と思う。黙っているだけでは気まずいし関係を築くためになにかしら喋らなくては。
「ニルは幼いときから剣術を習ってたりしたの?」
「なぜそのようなことを聞く?」
「貴族は生活の仕方が違うのかなぁと」
「当たり前だ、そこらの平民と生活が違うに決まっているだろう」
こいつ、毎回一言余計な気がする。
「用がないなら去れ、俺は忙しいんだ」
「廊下に突っ立てたようなやつのどこが忙しいんだよ?」
といいかけたがこれ以上は相手のしゃくにさわるだろうから止めておきこの場を去った。
まだまだ時間はある、次はどこで暇を潰そうか、とこれまた歩き回っていると前からウォーロック教官がやってきた。
「おー新入生の青いやつ、なにしてんだ?」
青いやつて、俺の毛並みが青いからか?
間近でみるとやはり体が大きい、無駄のない筋肉、というわけではないがムチムチボディというやつ。
「アラドです、暇なんで徘徊してました」
「おっ、じゃぁ、教師の仕事手伝ってくれたり」
「嫌ですよ」
ですよね、と返された。
「暇なら、少し俺の愚痴を聞いてくれんか?」
愚痴前提なんだ。
「まぁ、いいですよ」
廊下ではなく俺の部屋で話すとしよう、と部屋に連れていってくれた。
内装の間取りはあまり変わってはいないが家具などで学生の部屋よりももう少し豪華なものに見える、窓からは海がみえ景色もよい。
「お前はコーヒーか紅茶どっち派だ?」
「えっ?あー、コーヒー、っすね」
いきなりの質問に少し戸惑った、コーヒー派だと答えると彼は「俺もだ」と少し喜んだかのようなトーンでいいコーヒーを用意し始めた、完全に満喫させるきである。
「薄々気づいているとは思うけどよ、うちは問題児が多いんだよ」
「と、いいますと?」
よくわからん返しをしてしまったが、教官は気にせず話し始めた。
「さっき見たろ?ニル王子だよ、あいつもそのうちの一人だ」
気持ちはわかりますよ、あれが貴族なのかよ?と印象付けさせられましたから。
「最高級貴族だからと、才能があるからと他人をバカにしすぎている、いやな?自分の力に自信を持つことは大事だ、けどそれがエスカレートするとただ人を見下しているヤバい人間になってしまうんだよ」
それから三十分程度、教官の愚痴を聞いていた、どうやら貴族のほとんどが問題児であり、そこにコネで取り巻く獣人たちにも困っているとのこと、まぁ確かに自分も初日から不快な気分にさせられた。
「あっ、そういえば」
「ん?どうかしたか?」
もう1つだけ気になることがある、あの人間の子についてだ。
「そういえば、今年は人間がいるんですね」
「あー、あいつか、」
少し考え事をしている顔だ、彼も問題児、に入るのだろうか。
「先にいっておこう、変に関わらないでおいたほうがいい、気づいたときには首を斬られているかもな」
えっ?とつい声をだした、彼はそんなにも強い人間なのか、あまり納得はできない、なぜなら人間は獣人の何倍にも弱いから少しの力でねじ伏せることができてしまうから。
「あいつの剣技はニルを超えてるからな、だから選ばれたんだ」
王子をこえる剣術を彼は身に付けているのか、それがどれほどすごいのかはわからないが、俺よりかは強いことはよくわかる。
「悪いな、こんな話聞かせちまって、もう戻りな」
「うっす」
「お前みたいなやつがいると少し楽になるぜ、ありがとな」
なにに感謝されているかわからなかったが、その部屋をあとにした。
さて、まだ時間がある、次はどこにいこうか。
特に予定もなくまたほっつき歩いていたのだが。
「おっ、アラドじゃねぇか、お前も腹でも減ったか?」
「つまみ食いはよくないだろ」
来たのは食堂、そこには食べ物をつまみ食いしているオスカーがいた。
「腹が減っちまったんだ、他のやつらには内緒な」
「あと一時間くらいまったらいいのに」
「いいや待てねぇ、今食べてぇんだ」
なにその謎の意思。
「そういや、オスカーはどこから来たの?」
彼の出身国を聞いてなかったからきこうと思う。
「俺はラフール王国出身だぜ」
うわー、みんな都会なんだなぁ、田舎民はやはりここには場違いだあろうか。
「アラド、てめぇはどこなんだよ?」
「俺?俺は…………田舎からきたから、王国とか出身じゃないんだよね」
「マジ?ていうことは村からきたのか?」
「…………うん」
しばらく沈黙が流れた、やはり田舎者とは関わるのは嫌がるであろうか?
「なんか悪かったなきいて」
「気にしてないよ、友達として受け入れてくれるなら、十分だから……」
「ったりめぇだろ!俺らはとっくに友達だっての!」
そういわれ思いっきりハグをされた、こういのはもっと特別な関係でするものではないのか?
都会民の距離感はよくわからん。
「ばれない程度で自室に戻れよ?」
「わかってるってー」
本当に大丈夫か、こいつ。
そろそろ夜飯の時間だなと思いながら、自室に戻った、自室に戻るとそこには一人本を読むセトがいた、話しかけるか迷ったが仲良くなるためにも話そう。
「セト、小説よんでんの?」
「うん、図書館にあったもの借りてきたんだ」
「えっ、図書館あんの?」
「あるよ、ここの廊下を突っ切って左にいけば」
図書館、故郷にいたときは小さいものであったがこの学院ではどうなのか、今度行ってみるとしよう。
「セトは本を読むのが好きなのか?」
「誰もいない空間で読んでると落ち着くね、あんまり騒がしいことは好きじゃないし」
「あれ、話しかけないほうがよかったりした?」
「いや?そんなことないよ、邪魔するようなことじゃなければ気にしないし」
ならよかった、と心のなかで安堵した。
夕食の時間になり全員でホールに集まっていた、料理は今までにはみたことのない高級な肉などが使われている、そこにかかっているソースは見事に肉の旨味をさらに引き立たせている。
あまり豪華なものは食べたことがなくどれも新鮮味を感じる味だった、最初こそ抵抗があったものの、一口でもいれれば慣れてしまう、それほどにおいしい。貴族はみなこのような食事をしているのだろうか。
「ん?アラド、食欲ねぇのか?」
「えっ?いや、ゆっくり食べてるだけ、味わいたいからね」
「結構普通な料理だと思うけど、食べることをそんなに大切にしてるの?」
少し驚いた、これが普通の料理?都会民はみんなこのような肉にソースぶっかけているようなものを食べているのか?
「……高貴な人が食べるものだと思ってた……」
「貴族はもっといいものたべるよ、アラド、故郷でどんなもの食べてたの……」
何って、魚とか肉とか普通に食べてたけど、こんなソースのかかったものは食べたことがない、そう伝えると少し哀れみのある目でみられた そんなに貧困な生活送ってねぇわとすぐにツッコミをいれた。
食事が終わりみんなそれぞれの部屋にもどっていた、そろそろ俺は風呂に入ろうかな。
あいつらでも誘うおうか……。
「オスカー、セト、風呂入ろうぜ?」
「別にいいけど」
「あー?まだはやくねぇ?」
「いいだろ?ほら行こーぜ」
嫌がっていたオスカーを無理やり引き連れ浴場に向かった。
風呂場は大浴場、ほどではないがそこそこ広い、身体を洗うシャワー室がいくつかあり使い勝手はとてもいい。
「あー疲れた……」
とセトが一言。
「そんなにか?俺はまだまだ行けるぜ!」
自信のある声でオスカーがいう。
「俺も疲れた、馬車の移動が意外にキツかった」
「それわかる、なんかキツかった」
「お前ら体力がねぇなぁ」
この中で一番体格がいいのは間違いなくオスカーであろう、見事にムチムチとした筋肉質だ。
逆にセトは少し細身、筋肉があるがバキバキにあるわけではない、俺はその中間くらいだ。
「そろそろ出ようぜ?これ以上はのぼせるぞ」
オスカーのたまにある真面な提案だ。
「そうだね、アラド、出ようよ」
「だなっ」
風呂から上がればすぐに就寝準備、明日からは授業が始まるし訓練も始まる、朝早いためみんな今日はもう寝るみたいだ。
寮生活は必ず入り口、奥、真ん中のどれにするかのベッド争奪戦が開幕するであろう、じゃんけんで俺が真ん中になりセトは奥、オスカーが一番手前になった。
ベットの間の間隔が狭いため、真ん中が一番のハズレなのに自分がなってしまった……。
「俺寝相悪いからよ、腕が当たったりするかもしれねぇ」
「真ん中じゃなくてよかった、オスカーに危うく睡眠を邪魔されるところだった」
「はぁ……明日寝不足確定だわ、俺」
「おいっ!俺の寝相はそんなめちゃくちゃ悪かねぇよ!」
寝る前まで楽しく会話をしいつのまにか眠りへと意識は誘われていった。