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そんな時、運動会のリーダー決めがあった。
私はリーダーになるつもりはなかったから、あまり関係がない。
そう思っていたのに。
すずたちのグループ4人は立候補した。
他に2人の立候補者。
当選するのは、4人だけ。
2人、落ちることになる。
……私は、誰に投票すればいいの?
心の中で、自分に尋ねる。
わからない。
どうすればいいの……?
私は、震えながら投票用プリントを握った。
もし、私があの頃のままだったら。
そしたら、あの中にいたんだろうか。
やだな。
考えないようにしてるのに。
これ見よがしに見せつける絆はもうわかったから。
だから
だからさ。
もう、やめてよ。
すずたちのグループ4人の名前を投票用紙に書き込んだ後、私は下を向いて提出をした。
去年は、応援リーダーなんて、って言ってたのに。
絶対やだ、って言ってたのに。
まるで、過去そのものが上書きされてゆくようだ。
私は顔をうずめて、机の上で涙をこぼした。
そして、家で思いっきり泣いた。
あの時の、昔の思い出は、私のかけがえない思い出なのに、…それが上書きされてゆく。
今は、喋ってないけど、それでも、それでもあの時の私たちは、笑ってたよ。
それが、今は、笑ってない。
進みたいよ、私だって。
すずやみさきみたいに、過去は過去って受け入れたいよ。
でもさ、私は、できないよ。
怖いよ、進むことが。
過去、なんて言葉で、思い出を潰したくない。
「私は、すずやみさきが、羨ましい。」
進めない私と比べて、進んでいるすずやみさきは全然違う。
私、ダメダメだ。