性表現あり。
乱歩さんが乱歩さんじゃない。(この話の定義)
喘ぎ声あり。
ドンと大きな音がした。
地面には暗くも明るくもある紅い華は、
僕に何を観せる?
「ふわぁ……」
柔らかく欠伸をする。
ボワンと窓から暑い空気が入る。
其れは今は夏だと自覚させる。
「ねぇ、敦」
ヒッソリと隣の席の乱歩さんが云った。
「なんですか?」
「ほら、これ」
乱歩は面白おかしそうにある物を見せた。
「……またお菓子ですか……」
乱歩が見せたのは小さな青い紙袋。
まぁ、普通にマーブルチョコだろう。
否、そもそも学校にお菓子を学校に持ってきている時点で
可笑しいし普通じゃない。
※駄洒落じゃないよ。
「もう……」
「いいじゃん。一番後ろだし、窓の近くだし」
「?如何して窓なんです?」
「匂い飛んでくじゃん」
「えぇ………」
普通に無駄だと思う……なんて考えは云わない方がいいだろう。
「んじゃ、いただきまーす!」
「え〜、此処を……」
「江戸川。またか!」
「あ、バレた」
「何故そこ迄菓子を食いたがる!」
なんて言い訳するんだろう……と少しわくわくする。
「……あのねぇせんせ」
「六時間以上も糖分食えないって有り得ないでしょ」
真逆の言い訳に肩を落とす。
「六時間くらい大丈夫だろう」
「僕は大丈夫じゃないもん」
「あと、僕ら勉強してんの」
「其れは先生も同……」
「先生の机にあったチョコはなんですか〜?」
先生は図星を突かれたのか、黙り込んだ。
「なんで先生は食べてよくて、」
「生徒は食べちゃダメなの?」
確かに、と心の中で頷く。
「さっきも云ったけど……」
「僕ら、勉強してんの。何時間も」
「娯楽も無しに」
「それなのに、なんで食べちゃダメなの?」
「そーだそーだ!!」
「乱歩の云う通り!!」
「先生だけずるい!!」
生徒達が一斉に言葉を吐き出す。
まぁ、乱歩の云う事は正論だ。
「……校長に抗議しておいてやる」
わぁぁ!と皆が黄色い歓声をあげる。
ただ、
一人を除いて。
お菓子みたいに甘くて美味しい。
白虎の様に美しく綺麗な子。
其の真っ白い首筋に、紅い華を付けさせて。
其の白雪姫の様に紅い唇を奪わせて。
其の、真っ赤で甘い、林檎の様な唇を。
「ん……あ……」
「どうしたの?もう限界?」
誰にも使われていない理科準備室で二人、
” ナニカ “ をしている。
「っ……う……」
一人の少年が息を荒らげ、生理的な涙を浮かべる。
少年の甘い表情を見て、もう一人の少年は
口に弧を描いていた。
明らかに見られては拙い状況を、
扉の向こうから
” 彼 “ は見ていた。
「…………」
「ねぇ、敦」
乱歩は耳元で艶のある声を出した。
「こんな僕の事、受け入れてね」
「うぁ……」
ツー……と細い指は敦の背中をなぞる。
片手の指は敦の耳を。
「御免ね。急に」
「我慢出来無くなっちゃった」
其の声が敦に届く事は無かった。
私の欲望が詰まりに詰まった話でしたね。
すいやせん。
敦くんはぜってぇウブやねん。
異論は認めん。
ついでにメイド服はショートのスカートに
タイツ……ガーターもいい……
全部好き……
……いきなりなんの話だろう……
じゃあ、また今度お会い致しましょう。
グッド・バイ。(太宰治の未完成作品のやつ)
コメント
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続き楽しみに待ってます!!!