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「爺や,それ,どういうこと?」
呆然と立ち尽くす私。だってそんな事聞いてないんだもん。しかもシェアハウスって頭いかれてるんじゃないの?男の子3人と幼女一人と今日から暮らせなんてできるわけない。でも,断ってしまっては相手に迷惑がかかる。私一人で決めることではないだろう。
「ですから,貴女のお父様,明彦様がさみしくならないようにと知り合いの子供さんを連れてこられたんです。」
「よろしく☆カルトだよ☆」
一番年上のお兄さんがキラキラオーラを纏ってあいさつした。これが陽キャ…恐ろしい。そして私に近づこうともせず隅っこでこちらを見ているのが閻魔君。名前は中二病臭いけど名前と合っていない威圧感のなさ。これでは空気と変わらない。
「えっと,山猫,春夏です…。」
「ほんと,僕に怠らないくらい,美しい。」
皆の顔を察するにかなり引いている。そしてカルトさんは…ナル…いや,何でもない,ただのイケメンだと思えばいい。爺やも引いてたのを私は見逃さなかった。
ずっと立っていると私のお腹が鳴った。もう夕方だ。私のお腹が鳴るのも無理はない。
「すぐ用意しますね。」
「…。」
爺やが居なくなり,時間が長く感じる。早く,ご飯を作って戻ってきてくれとずっと思った。
「おねーちゃ。」
「えっと…。」
長女のマイちゃんだ。唯一の女の子だったから話せるかなと思ったけどマイちゃん曰く3歳らしいから多分私は振り回されることになるだろう。海斗さんはずっとスマホを触っているし。閻魔君は相変わらず隙間にいるし…もう本当に,お父さん何してくれてるの。
私,ちゃんとやっていけるかな。爺やがもしいなくなったらどうするの?
「ほれ,できましたよ。」
今日の夕食は私の大好きなカレーだった。このカレーも,こんな成長期の男の子が2人もいたらすぐになくなるだろうな。私お代わりできるかな。
「あ,えっと,海斗さんどこいくの?」
「…気晴らし。」
それだけ言って海斗さんは出て行った。
「ま,あいつはああいう奴なんだよ。…閻魔,そろそろこっち来た?」
「うゆ,このこみゅしょーめ。」
マイちゃんは3歳児とは思えない態度と言葉遣いで閻魔君をさらに怖がらせていた。
爺やはそんな事気にせずホイホイとカレーをさらに盛り付けていく。香りも盛り付け方も相変わらず完ぺきだった。私は料理ができないからいい感じに出来たことがないんだけど。
「…頂きます。」
「…この国では食べるときにそういうのかい?」
「う,うん。」
海外から来た4人は毎日何も言わずにご飯を食べるらしい。そうやって食べていると感謝を忘れてしまうからそこはシェアハウスをする上で教え込まないと私が嫌。…お風呂とかどうするんだろ。マイちゃんは私と一緒に入るとして,あの人たちは…お風呂はできるだけきれいに使ってほしいな。
「うっま,何これ。」
そう考えていると海斗さんがカレーを見つめてそう言った。
私がそれを見て私が笑うと海斗さんは黙り込んでしまった。…こんな見た目して発言が可愛すぎる。