テラーノベル
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田舎に来て良かったと思う。
近くに住んでいる人が少ないから
何か言われるかもしれないなんていう
心配をしなくても済むし、
田舎の方が微かな音でも綺麗に聞こえるからだ。
そんなある日、
家族にある提案をされた。
それは
『筆談ではなく、手話を学んでみないか』
という提案だった。
お母さんのお母さん。
つまり私から見ておばあちゃんに値する人は
耳が聞こえなかったらしい。
それでお母さんは手話を勉強して
おばあちゃんと話をしていたと聞かされた。
きっとお母さんも子供みたいに
実の母を愛していたんだなって、
大切にしてたんだなって気づいた。
しかも、
そんな心動かされるエピソードを聞いといて
『学ばない』なんて言えるわけが無い。
それどころか言いたくもなかった。
だから私はお母さんに『頑張って習得するね』
と元気よく返事すると
お母さんは過去一の笑顔を私に見せた。
それくらい母親にとって子は
大事なものなのだろうと思った。
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