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170
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めかぶぷりん
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撮影は順調に進んでいた。
そして迎えた、この日の撮影。
——ラブシーン。
スタジオには、いつもとは違う静けさが漂っている。
スタッフたちも自然と声を潜め、
現場全体に張り詰めた空気が流れていた。
監督が二人の前に立ち、ゆっくりと口を開く。
「ここはね、言葉じゃなくて、」
「距離感で魅せてほしい」
「再び恋へ落ちる。その空気を大事に」
俺は無意識に、岩本へ視線を向けた。
💛「……」
岩本も静かにこちらを見返す。
カメラ位置を確認し、立ち位置につく。
一歩。
また一歩。
気づけば、二人の距離はほんの数センチまで縮まっていた。
「───────よーい」
「……スタート」
役に入り込む。
岩本の指先が、そっと俺の腕に触れた。
そのまま自然な流れで壁際へ追い込まれる。
💛「……なんで、そんな顔するんだよ」
吐息が届くほど近い距離。
視線が絡み合う。
絶対に逸らしてはいけない。
💜「だって、お前が……」
言葉の続きを飲み込む。
💛「……」
ゆっくりと伸びてきた手が、
そっと俺の頬を包んだ。
驚くほど優しい温もり。
指先が、かすかに震えている。
その震えまで伝わってきて、
胸が小さく揺れた。
💛「俺はまだ……」
ほんの一瞬の沈黙。
そして、切ないほど静かな声が響く。
💛「……お前のことが好き」
その瞳は、
役を演じているようには見えなかった。
💜「……っ」
胸が、大きく脈打つ。
あと数センチ。
近づく唇。
そして——
そっと重なった。
💜「……っ」
胸の奥が締めつけられるように熱くなる。
ゆっくりと離れる。
……はずだった。
台本には、そう書かれている。
けれど───────
💜「……っ、ん……」
岩本の唇が離れない。
深く、貪るように熱が重なる。
吐息が絡み合う。
💜「……ん、ぁっ……」
岩本の指が、俺の頬を伝い、
熱を帯びた首筋を這い降りる。
その手は、決して止まることはない。
思考が追いつかない。
鼓動が、 耳の奥で大きく響いていた。
その瞬間——
「カット!!」
監督の声がスタジオに響く。
一気に現実へ引き戻される。
「最高!」
監督は満足そうに笑った。
「今の空気、すごく自然だった!」
「言葉以上に、目で伝わってきたよ」
スタッフたちも口々に感想を漏らす。
「すごかった……」
「本当に恋人同士みたいだった」
「二人とも、感情の入り方がすごい」
誰もが興奮気味に話している。
その中で、
俺たちだけは何も言えなかった。
そっと距離を取る。
さっきまで触れていた体温が、
まだ肌に残っている。
俺はゆっくりと岩本を見る。
けれど岩本は、 静かに視線を逸らした。
胸の奥が、少しだけ痛む。
気づけば、 言葉がこぼれていた。
💜「……岩本」
💜「このあと、一杯どう?」
自分でも驚くほど自然に出た言葉。
💛「……え」
💛「……ああ」
💛「いいよ」
小さく笑って返してくれる。
プロとして、
割り切るはずだった。
カメラが止まれば、 すべて終わるはずだった。
それなのに、
唇が触れたあの距離も、
視線が重なったあの瞬間も、
まだ心の奥に残っていた。
つづく。
コメント
4件
監督が🖤であることを祈ろう。
ひぃ💛の本心からの行動であれ(願)
親と見ると気まづいドラマですか?(?) そうなったらコソコソ見ますԅ( ¯ิ∀ ¯ิԅ) あぁぁあ監督になりてぇぇぇ!!!!