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巻いて巻いて巻いて本編へGO!!(⁠ノ⁠`⁠Д⁠´⁠)⁠ノ⁠彡⁠















































〈💚side〉

俺に向けられた大きな声と強引な腕引きに俺は焦りながら、無我夢中で空を飛びまくった…。

そして、ようやく彼の勢いが緩やかになって地面に降りる。それと同時に…俺は膝から崩れ落ちた。


💚「バタッ…はぁ、はぁ、はぁ…っ」

❤️「!…す、すち!?」

💚「ごめッッ…少し…疲れて……はぁ、…まだ飛ぶのに……慣れてないから…いきなり過ぎて」

❤️「そ、そうだよな……わりぃ、俺の速度に無理やりついて来させちまって……」

💚「(あの速さで…一切疲れてないってどんな体力してるんだろう)」


体内時計的には約15分間ぐらい、ひまちゃんの飛ぶ速度に俺も合わせて羽を上手く羽ばたかせていたけど………正直とてもキツかった。

ひまちゃんはあの場から一刻も離れたそうにしていたから、周りを気にせずにずっと全速力に飛んでいた。だから腕を掴まれて一緒に飛んでいる俺は……もう飛んでるというよりも引っ張られている状態だった。

まぁ……あの状況から逃げられたから良かったけど……


💚「てか……そうだ。」

❤️「ん?」

💚「ひまちゃんの前で言うのは失礼かもだけど…」


💚「ひまちゃんのお母さんって………」

❤️「……………」

💚「俺らに……何か仕掛けてきてたよね。」

❤️「あぁ……あれは完全に敵意があったな、しかも…俺とすちどちらにも」

💚「…何で、……」

❤️「……すちには興味示しているだろうなとは思ってたけどよ、俺にまで興味があったのは…想定外だったわ。おかげで、【魔技解除】の発動が遅れた。」

💚「【魔技解除】……?」

❤️「前言っていただろ?魔技を防ぐ魔技があるって。」

💚「前……あっ!」


❤️【例えば……俺が使えるのとかでいうと、魔力を剥奪するのとかも魔技だし、火球を使うときに張る結界もそう。】

💚【あーなるほど】

❤️【後俺は今修行中だけど……魔技を防ぐ技術とか跳ね返す技術とかもある】


💚「前に言ってたひまちゃんが習得しようと頑張っていたやつね!あれひまちゃんできるようになったんだ…。」

❤️「あぁ、本当に最近だけどな。」

💚「それがなかったら俺は今頃……何も出来なくてごめんね」

❤️「謝んな、ていうか俺が【魔技解除】を習得しようとしたのも、すちのためだし。」

💚「えっ?俺のため?」

❤️「おん、正直こんな状況になることは、予想できてた」

💚「そうなの?」

❤️「すちを見た瞬間のアイツの目が、異様に淀んでたからな……すちに関していつか何かを仕掛けてくるって、大体分かる。」


❤️「その時にアイツの被害に遭わないよう、すちを守るために俺は魔技を習得してたんだよ。」

💚「そうなんだ……ありがとう。実際助けられちゃったね。」

❤️「でも、問題は俺にまで何かを向けてきているところなんだよな…。すちだけなら守れるが、自分を守りながらすちを守るのは……アイツ相手には分が悪すぎる。太刀打ちできないかもしれない。」

💚「で、でも……俺の能力とひまちゃんの能力なら…いけるんじゃ…?」

❤️「俺の能力とすちの能力は、共闘に関しては相性最悪なんだよ。俺の炎が風に攫われるから、敵に攻撃が当たらん。」

💚「そ、そっか…」

❤️「それにアイツは能力じゃなくて、魔技を主体に戦う。……俺は魔技を結構扱えるから、アイツとも良い戦いはできると思うけど、すちは……」

💚「………魔技はちょっと…」

❤️「だから、すちは前線に立たないほうが良いんだよ。」

💚「…………そっか。」


一つ一つの言葉がズキズキと刺さる。

ひまちゃんは優しく言ってくれてるけど、直球的に直すと言ってることは「戦力外通告」なんだ。

俺はこの戦いに入れない…入ってはいけない。俺はひまちゃんが守ってくれる距離感を保ちながら、何もせずに見ていることが1番の最善策…きっとそういうことなんだろう。


………悔しいな。これが最善策って自分自身で理解できてしまう状況が、何よりも悔しい。

俺だって強くなってるのに、ひまちゃんからお墨付きまで貰ってるのに……やっぱり王族たち妖精界最強の戦いにとっては、俺は足元にも及ばないんだ…。


💚「ッッ………」

❤️「そう落ち込むこともない。戦えなくて当たり前なんだから。」

💚「でも…でも、これじゃ負担をかけるだけじゃん!俺だって狙われているのに…っ。」

❤️「すち………」


自分の身すら守れない、肝心なところで何もできない…結局のところひまちゃんに頼るしか俺にできることはない…。

いっつもそうだ、俺は何もしていない。全てが軽く収まっているのはひまちゃんが収めてくれているからで…俺自身は何の役にも立っていない……。


💚「……何で、こんな弱いんだろう。」

❤️「っ…すちは弱くない!たった数ヶ月でここまで能力や魔力を扱って、自分の物にして、そして羽まで使えるようになった!!それは凄いことだ!!」

💚「でも!今結局何の約にも立ってないじゃん!」

❤️「それは当たり前のことだ!これから戦う王族は普通の妖精よりも数段格上の存在。普通の妖精ですら、足元にも及ばない…。だから、すちが戦わなくて当然なんだよ!」

💚「…ひまちゃんはそんな相手と戦うのに…俺は守られるんだ。」

❤️「俺は王族だからアイツと戦える。でも、すちは違うだろ……もういい、こんな話しは辞めだ。落ち込むのもほどほどにしとけよ。」

💚「……………」


ひまちゃんは俺から視線を外し、歩いていく。

俺から離れていくひまちゃんの背中が、少し……俺に失望したかのような、そんな気がした。


…そうだよね、実際今の俺は事実に向き合えなくて、駄々をこねてるだけ。事実と向き合って前に進めば、進める妖精だったら…ひまちゃんにとっても有り難かっただろうに。


💚「(…もうこんな考えは辞めよう、こんなことを思い続ける方が迷惑だ。とりあえず…ひまちゃんについて行かないと…)」


無理やり自分を卑下する思いを変えて、ひまちゃんの傍に行こうと俺が走ろうとした時……。























グラッ…………っ。


あ……っレ?


ひまちゃんの姿って……俺の手って……地面って……世界って……こんなに……歪んでたっけ?


?「……確保…。」


そんな言葉が聞こえた後……俺は意識を落とした。


〈❤️side〉

❤️「もういい、こんな話しは辞めだ。落ち込むのもほどほどにしとけよ。」

💚「……………」


落ち込むすちの姿を直視できずに、思わず視線を変えて離れる。


❤️「(何ですちが落ち込むんだよ…俺が全部悪いのに…。)」


すちがアイツに目をつけられてしまったのは、すちとアイツを接触させてしまった俺の責任だ。

だから、俺はすちを守らないといけないのに…何でお前は、俺に守られることを嫌がるんだよ。負担だって迷惑だってかけていいのに…

なのに、お前はいつもいつも自分のせいにして……もっと物事を客観的に見ろよ。お前の悪いところなんて1つもないだろ。

お前は弱くない、逆にポテンシャルがすごすぎて俺ですらすちの可能性を期待しているほどだ。ただ、戦う相手が王族なだけ……でもそれはしょうがないことだ。誰だって王族に比べたら数段格下、戦わない選択が1番正しいんだよ。

だからさ…………


❤️「(……落ち込まないでくれよ。)」


お前の落ち込んでいる姿を見ると、こっちが苦しいんだ。そして、そんな顔をさせてしまった俺自身にムカつくんだ。


❤️「(…俺は……何で、こんな風になって…しまって………)」


そんなことを考えていると………
















ファサッ…………。


1つの微風が吹き、身体中を吹き抜けた。


❤️「っ!?!?…ザッ!!(振り返る)」


それと同時に感じる莫大な存在感に、俺は直ぐ後ろのすちに目をやる。

…………が、全てが遅かった。


💚「…バタッ」

母「ガシッふふっ…」

❤️「っ!すち!!」

母「……駄目じゃない、なつ。狙われているのに目を逸らしちゃ…」

❤️「っテメェ!!すちから離れろ!!」

母「嫌よ、私は今この子に興味があるの。あなたは後で相手してあげるわ。」

❤️「ふざけんな!!…ボワッ!!!!(炎)

母「おっと………その火球を投げたら、すちくんがどうなるか…賢いなつなら分かるわよね?」

❤️「ッッ……ぐっ…」


クソ…あの距離感だと、かなりべっとりとくっついてしまってるから…火球を投げたらすちも傷ついてしまう。


❤️「……テメェ…」

母「それに、私を恨むぐらいならまずは自分を恨むべきじゃないかしら?」

❤️「…は…っ?」

母「なつが、すちくんと会わせてくれたから…。なつが、私に怯えてたから…。なつが、すちくんを守れなかったから…。こうなっているのよ?なら、他人を責めるよりもまずは自分を責めるほうがいいんじゃないかしら?」

❤️「!…それは……ッッ」

母「……………あなたもそれは感じてるのでしょう、自分のせいだって。」

❤️「………黙れ…」

母「すごく感情的で冷静さを失ってる…本当にすちくんのことが大切なのね。」


母「なら尚更、すちくんを守れてない理由がよく分からないわね。」

❤️「っ!!」

母「まぁいいわ、私は目標を達成できたことだし…もう用はないわ」

❤️「おい、行かせると思ってんのか!」

母「私に攻撃でもするつもり?すちくんに被害が出るかもしれないのに。」

❤️「……っ」

母「なつがすちくんに攻撃できない以上、私に攻撃なんてできるわけないのよ。……はぁ…そんな甘い考えを持っているのに、よく大切な存在も守るなんて抜かせるわね。」


母「あなたの実力も、その程度ってことよ。バサッ!!(羽をはばたかせる)

❤️「!!(まずい、逃げられる)」


クソ、クソ、クソ!!全部コイツに見抜かれている…このままじゃ、すちが連れて行かれる!

何とかしないと、俺のミスですちに危険が合う!早くなんとかしないと…じゃないと……


【ひまちゃん!!ニコ】


……すちがいなくなってしまう。


❤️「(そんなの…嫌に決まってんだろ!!)」


もう嫌だ…すちが消えてしまうような。あの怖さを味わうのは嫌なんだ!!


❤️「っ…(動け、動け!俺に今できる全部を、使って!すちを救う方法を!!)」

母「……それじゃあ」

❤️「っ…(一か八か…)」

母「さようなら」


(【魔技発動】!!)






母「…………バサッ!!!!!


ヒューン!!!!…………(連れて行かれる)


❤️「………」


何も動いてない俺を見下ろしながら、アイツはすちを抱えて消えていった。

俺は一見何もできていなさそうだけど、それは違う。


❤️「成果はあった」


最後、咄嗟に使った【魔技】…あの時、俺はまだ未完成の魔技である【追跡】を使った。

【追跡】とは掛けた相手の人がどこに居るのかを常時把握することができる魔技のことだ。この【追跡】も中々練習しないと身に着けられない技術が高い魔技の内の1つで、俺も今まで成功はしたことないほど難しい魔技だ。

でも、土壇場で魔技を習得できてよかった。おかげで………


❤️「……すちの居場所がよく分かるぜ。」


すげぇ速度で西に向かっている……。

多分今すちが連れて行かれる場所は、アイツの拠点だろうな。アイツのアジト、か……何が行われているのか分からない所にすちを長時間居させるのは危険だ。一刻も早くすちを救い出せないといけない。


❤️「でも、今の俺はじゃ…すちを救えない。」


実力的には互角かそれ以上は相手できるけど、少し気が緩んだだけで、すちを奪われてしまうぐらい…今の俺は精神が乱れまくってるんだ。

そんな俺が今から王族のアジトを襲撃なんてできるわけないし奪還なんてもっての外だ。

だから、一旦整えよう……身体も精神も休ませて、万全な状態ですちを救いに行こう。


❤️「ふぅ…はぁ(深呼吸)……すち、すまねぇ…俺のせいで危険な目に合わせてしまった。」


❤️「でも、もうミスは犯さないよ…次は絶対にすちを守ってみせる。お前が傷つく前に助けてやる。」


お前との約束に誓って、俺の全てをかけて__。




























第15話「計画」

俺の羽は_。(完)

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