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ふとした拍子に、拓実の下顎に指を添えた。触れたのは一瞬。だけど拓実は、くすぐったそうに目を細めて、ふにゃりと喉を鳴らした。
tk「……にゃ」
思わず動きを止めた俺の指先に、顔をすり寄せてくる。
rn「ちょ、何それ」
tk「蓮くんが触ってくるから……猫になってみた」
何言ってんの、こいつ。けど、なんだこの破壊力は。
首筋にかかる髪、頬を赤らめて小さく笑う口元。さっきの声色も、何かのご褒美かってくらい甘くて優しかった。耳まで赤くなってるのを隠すように顔を背けてくるその仕草がまた、ダメだ。
その日の夜、気づいたらペット用品のコーナーに立っていた。目的はただ一つ。ごく自然なテンションで棚から首輪を手に取る自分に、軽く引きながらも止められなかった。
買ってきた首輪は細身のレザーで、深い紺色。金のチャームがついていて、振ると小さく音が鳴る。
翌日、タイミングを見計らって取り出す。
rn「拓実」
tk「ん?」
俺はポケットからそれを取り出して、軽く振ってみせた。ちりん、と音が鳴る。
tk「……なにそれ」
rn「試してみたくなって。猫っぽかったから」
tk「まさか……俺に?」
首輪を見た瞬間、拓実の顔が真っ赤になる。けどすぐに「やめてや!」と叫んで逃げるわけでもない。その場に留まったまま、口をもごもごさせている。
rn「嫌なら無理にはしないよ」
tk「……けど、昨日の、そんなに可愛かったん?」
rn「殺傷レベルだったけど。俺の理性が半壊した」
tk「……なんそれ」
そう言いながら、拓実は少しだけ喉元を見せるように首を傾けた。拒否ではない、少しだけの許容。俺は手を伸ばし、慎重に彼の首元へ首輪を巻いた。
ちりん、と小さく鳴った。
rn「似合うね」
tk「……変な趣味に目覚めてへん?」
rn「拓実限定だから、心配せんで」
tk「ほんまかなあ……」
頬を赤くして視線を逸らす拓実に、もう一度顎を撫でてみた。すると彼は、また小さく「にゃ」と声を漏らす。
これはもう、完全にアウト。