佐野さんのインスタを拝見し、こんなプライベートがあればで執筆しております。
2022.12.24と2022.12.28のインスタライブを拝見後、お読みいただければさらに楽しめると思われます。
「柔太朗、これで仁人拗ねたらお前のせいな」
インスタライブ後、冗談で言ったこのセリフが現実になるとは…
一人暮らしのマンションに帰宅しすぐに部屋の違和感に気が付いた。
「カーテン…」
最近、誰かさんが家に不法侵入し付け替えられたカーテンがリビングに畳まれていたはずの白いカーテンに戻されている。替えられていた緑のカーテンは自室を見渡しても見当たらねぇ。
インスタライブの次の日、普段通りだった為フォローもせず油断した。
仁人は寂しがり屋で、人の言葉を素直に受け取り深読みする。
それが良いところでもあるが、今回は悪い方向に向かっている。
『プルルルル…』
早く誤解を解くため、仁人に電話をかけるが3コール鳴っても出ない。
普段は3コール以内に出るのが大人の常識だ。みたいなこと言っている仁人が3コール以内に電話に出ないのは小さな抵抗だろう。
「チッ」
帰って来たばかりだというのに、玄関に逆戻りし靴を履き、ため息をつきながら家を出る。
仁人のマンションのエントランスにて部屋番号を打ち、来客を告げるチャイムを押す。
来客を確認するため、一瞬繋がったインターフォンはブチっと切れる。
家にいることが分かればなんの問題もねぇ。
「合鍵持ってんの。お前だけじゃねぇから」
合鍵を使いエントランスを抜け、玄関の前まで行く。
玄関も合鍵で開けれるがここで仁人にちょっとした意地悪を仕掛ける。
ピンポーンとチャイムを押す。気配はあるがやはりそう素直には出てこない。
「吉田さーん!いるんですよねー!佐野勇斗ですー!」
玄関前でそこそこの声量で話しかける。
時刻は深夜23時台。名も顔も売れた俳優が玄関前で騒いで通報なんてことあってはならない。
メンバーでリーダーの吉田仁人がそんなことを許すはずがない。
玄関の奥からドタドタと慌ただしい足音が聞こえ、すぐさま玄関の扉を開き 焦った顔の仁人が顔を覗かす。
「お前!馬鹿じゃねぇーの!」
そんな言葉を無視し満面の笑み作り出し
「ウィッス!」
と挨拶し玄関へ押し入り、靴を脱ぎ部屋の物色をする。
部屋まで入ってくるとは思ってなかった仁人が制止の言葉を投げかけながら 後ろをついてくる。
「ちょっと!こんな時間になんですか。佐野さん」
「んー?ちょっとー」
適当に返事を返しながらお目当ての物を探す。
が、見つからない。
「見つかんねぇー」
「佐野さんは一体全体なに探しているですか」
「カーテン」
振り返り仁人の顔を見ながら告げると一瞬だけ、ほんの一瞬だけ顔を強張らせた。
だが、そんな一瞬の変化も見逃さない。一歩ずつ仁人との距離を詰めていく。
「仁人。俺ん家のカーテン知らねぇ?」
「…佐野さん家のカーテンなんて…」
その時、仁人の目線が廊下に一瞬向く。
玄関入って一直線にリビングに来たため、玄関の途中にあるのは…
一瞬示唆し、すぐに追い詰めた仁人から離れ脱衣所に向かう。
「勇斗!」
脱衣所に向かう俺に気付いた仁人が慌てふためくように名前を呼ぶが無視して向かう。
「あった」
洗濯機の上に畳まれて置かれていた見覚えのある緑色の生地。
それを持ちリビングに戻り仁人の前に差し出す。
「これ探してたんですけど?やっぱ、あんじゃん」
「違う!これは…そう!これは俺ん家につけようと」
「俺とお揃いにしようとしてたってこと?」
「それはない」
俺の家から外して帰ったのはバレたくないけどお揃いにしようと思ってたと 勘違いされるのは嫌だと光の速さで否定され、ちょっと傷つき苦笑いを浮かべる。
「てことは、俺のじゃん」
そのせいで結局すべてがバレてしまう。
墓穴を掘った仁人は小鳥のくちばしのような口をして睨んでくる。
「そうです。それは佐野さん家にあったやつです」
仁人は開き直り、だからなんですか?くらいの態度だ。
「そっ。じゃ、俺帰るわ」
「え?」
仁人は豆鉄砲でも食らったかのような顔できょとんとする。
「探し物見つかったし、俺明日朝はえーのよ」
じゃーねーなんて言いながら玄関に向かっていると後ろからカーテンを奪われた。
振り返ると仁人が大事そうにカーテンを抱きしめ立っている。
「仁人。それ俺のっしょ?返して?」
「違う。俺が買った」
珍しく子供みたいな言い訳をする仁人に笑いがでる。
普段は俺よりしっかりしてて頼りになるのに今は駄々を捏ねる子供のようだ。
「でも、仁人が俺の為に買った。俺ん家のカーテンだろ?」
優しく、でも追い詰めるように声をかける。
俯き何かもごもご言ってる仁人に歩み寄り、
「なに?違う?」
一応優しく聞く。
「…インスタライブでセンス悪いって言ってたじゃん」
やっぱ、ちゃんと見てんだよこいつは。
「柔太朗がな。俺は言ってない。」
「そだけどさ、やっぱさ」
「俺が緑好きだから買ってきたんだろ?センスないけど、愛があんじゃん。」
「おい。センスないいうなや…」
「ははは。それに母さんも初お披露目した時有難いって言ってたし、俺もありがとうって伝えたじゃん。」
「配信でだけな…」
「まーじか!」
改めて、お礼を言うのは照れ臭いから言えねぇーけど
「まぁまぁ、気に入ってから」
「まぁまぁってなんだよ」
そういって、ちょっとだけ機嫌を直し、くしゃっと笑う仁人が可愛くて頭を撫でた。
END
~おまけ~
「柔、この前のはやちゃんとのインスタライブ言い過ぎやなかった?」
「舜太は甘いねぇ~」
「え?」
「考えてみ?あれは惚気なわけ。あんなん付きあってたら胸やけもんよ」
俺の言ったことを理解できない舜太はヘラッといつもの愛想笑いを浮かべる。
きっと、舜太は優しいからうんうんって頷きながら話を聞いてあげるんだろうけど俺は優しくないからあんなバカップルには付き合ってられない。
甘々な二人には俺くらいビターがないとファンも大変だよ。
END
コメント
3件
今回のストーリーも本当にあるかも と思えるぐらいの雰囲気になってる所やインスタやキラリでの仁人くんのヤキモチ?嫉妬?拗ねてる所を見てる私からすると本当にニヤニヤ☺が止まらないぐらい何度も読み返してます。 本当にありがとうございます☀