テラーノベル
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『君はさ、ありのままでいいんだよ…。』
その言葉を最後に、彼はもう帰らぬ人となった。
何年経っただろう?
彼がいなくなったあの日から、繰り返し見る彼の夢。
息詰まるほど朝が憂鬱だ。
服を着替え、髪を整え、身じたくをし、外に出る。
一人、朝にもかかわらず静かな道を歩く。
少し歩いてから、混雑している道を歩く。
信号が変わりそうで、歩くのを止めた。
信号が青に変わった瞬間に歩き出す。
大人になった今でも過去を思い出す。
なんなら過去に戻りたい。
背も、声も、子供の頃とは変わった。
途中で海が見える高台みたいなところに寄り道していった。
高台みたいなところにベンチがある。
そっと、腰を下ろした。
そして、一息つく。
足を前後に揺らしながら、海を眺める。
少し経った頃に、立ち上がり柵に腕を置く。
ちょっと経ってから、彼が好きだった歌を歌う。
自分では気づかないほど、歌を歌うだけで、頬に涙が伝っていることがわかった。
歌の途中で雨が降った。
その雨は涙のように降る。
涙と雨は共感しているらしい。
今でも彼を忘れれない。
心を彼に奪われたように頭から離れない。
歌を歌い終わったあとにまたベンチに腰を下ろす。
喉が枯れるほど泣き叫んだ。
その後、暖かい温もりに包まれたような感じがした。
ふっと、顔を上げた。
そこには帰らぬ人となったはずの彼が抱きしめてくれてた。
彼の顔をもう一度見れたことに対して、また、涙が流れる。
どうやらその涙はもう止まらなそうだ。
彼の温もりに浸っているうちに、空は晴れてきた。
それと同時に心も晴れたような感じがした。
彼はもう目の前にはいなかった。
それでも、決心ができた。
「彼がいない世界でも、今日も生きて、笑う」ということを。
『辛い今でも、未来はきっと照らされるから。
過去の自分はずっと生きてるんだ。
明日へ向かう空へ羽ばたいてさ…今日も前を向いて進むんだ。』
一段と、顔が晴れている。
笑顔が、周りの花を咲かせるように、人の心を晴らすような、明るい笑みが溢れる____。
コメント
3件
いい話だね、 なんか大体感動する系の話って最後笑顔な気がする、、、 まぁ笑顔じゃないとやばいけど 汗