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今日は中学校の入学式。外に出てみると春の風はまだ少し肌寒かった。
「はぁー…うまく友達出来るかな…」
人見知りの私・坂井 咲乃(さかい しの)は人間関係がうまくいくか悩んでいた。とは言っても私が行っていた小学校の子たちは全員中学校は同じで、そこに2校の小学校から一部のひとたちが入ってくる仕組みだ。なので友達はいるのにはいる。
そして入学式。新しいクラス。担任の先生。部活動の紹介。新鮮なことがたくさんあり少し興奮気味だった。
そして下校時。私は帰り道が同じ方向の人が男子しかいなかったので男友達が多かった。
霧春「面白そうな先生だったな」
友達の一人霧春(きりはる)が言った。
陽人「なー!あっ!てかさ、クラスに可愛い女子いた?」
陽人(はると)がそう言うと、男子が一気に盛り上がり始めた。
「いたいたー!あの○○さん?って子が可愛かったなー!!」
「2組も小学校の時モテモテだった○○がいたよ!」
そんな会話を聞いていた私は呆れていた。なぜ男子はこうもしょうもない話で盛り上がれるのか。
陽人「咲乃はいたか?」
私の気持ちを見透かしたように陽人が聞いてきた。
「え?なんで私?普通は男子のこと聞いてこない?」
まぁ実際私は女性にも男性にも恋愛感情を抱くことがある。いわゆるバイセクシャルというやつだ。でもまだ誰にも言っていない
陽人「いや、女子の意見も必要じゃん?聞いてみるだけ聞いてみてもいいだろ」
「んー…強いて言うならあの吉川さん?かなー」
その場しのぎで名前をだした。だがその子は正直に可愛いなと思ったので嘘はついていない。
霧春「あー確かに。一番モテそうだったよな」
まぁこんな会話をしたところで今の私に恋をする気なんてさらさらない。…そのはずだった。
部活が始まったあの日まではーーーー。
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