「「お疲れ様でした~。」」
にじさんじ所属の葛葉と叶は事務所での仕事を終え帰ろうとしていた。
時刻は夜の10時。
窓から見える景色は真っ暗の中にビルの光などが輝いていた。
にじさんじには妖怪や神様、異世界人など多種多様なライバーがいる。
葛葉は吸血鬼である。
それが関係しているのか、あまり日中は外に出たがらない。
単に外に出たくないだけかもしれないが…。
よって、打ち合わせなども夜に行われることが多かった。
「ねぇねぇ葛葉。僕、今日は配信休みだから葛葉の家行ってもいい?」
叶は窓の外を見ながら葛葉に話しかける。
「んぁー、別にいよ~。」
二人は事務所の廊下を歩きながら、たわいもない話をしていた。
事務所の出入口である自動ドアのところまで来た。
二人は、のほほんとした会話を続けていた。
だから気付かなかったのだ。
自動ドアの異変に。
通常、自動ドアは透明であり、外の景色が見えるようになっている。
今は夜で暗い。
それでも、いつもは外の光が見えている。
しかし、二人が出る一瞬だけ自動ドアの向こう側は真っ暗の闇に包まれた。
二人はそのまま闇の中に消えて行った。
呪術高専東京校のグラウンド。
生徒達はいつも通り術式の訓練をしていた。
そのグラウンドの真ん中に突如、凄い呪力が出現したのだ。
その呪力は二人の青年から出ていた。
その青年とは葛葉と叶だ。
「「は??」」
さっきまで夜だった世界が一瞬にして昼に変わった。
グラウンドと森に囲まれた知らない場所だ。
状況が理解できずに困惑している二人。
すると少し遠くから声が聞こえた。
「え!何なにぃ?なんかすっげぇ呪力出てない?」
最初に声を出したのは呪術高専東京校一年虎杖悠仁だ。
隣にいた同学年の伏黒恵は身構える。
「何!侵入者なわけ!?」
同学年の釘崎野薔薇も虎杖に続けて叫ぶ。
動揺する一年生組に対して呪術高専東京校二年生の禪院真希、狗巻棘、パンダは動いていた。
グラウンドの真ん中にいる二人に向かいながら真希が叫ぶ。
「一年生!すぐに五条を呼べ!私らが足止めする!」
真希の言葉に従う一年生。
そんな彼らを見て二人は理解した。
今自分たちがどこの世界にいるかを。
「「呪術廻戦の世界!?!?!?!」」
にじさんじは妖怪や神様、そして異世界人がいる。
なら異世界に行くことも日常茶飯事なのだろう。
「「そんなことあるのかよっ!!!!!」」
真希の攻撃を避けながら二人は叫ぶ。
葛葉は、すぐさま羽を出して叶を抱えて空へ飛ぶ。
真希とパンダが近距離で、狗巻は少し遠くにいる。
なるべく闘いたくない葛葉は叶を抱えて距離を取る。
「話を!聞いて!くださーーーい!」
葛葉は精一杯叫んだ。
事務所の自動ドアは呪術廻戦の世界に繋がってしまっていた。
そして二人は呪術廻戦の世界への扉を開いてしまったのだった。
コメント
1件
そんな事ありますか!?いや、有り得そうやけども……