マドレシスが口にした衝撃の言葉が神殿に響き渡ると、その場にいた他の神々は一瞬にして凍りついた。彼らは何を聞いたのか理解できず、頭の中が混乱に包まれた。
「…は?」最初に口を開いたのは、戦神アレスだった。彼の眉間には深い皺が寄り、その目には信じられないという感情が浮かんでいた。
「待て、それはどういうことだ?」アレスは進み、マドレシスの顔を見据えた。
「マデスが…18の厄災だと?そんなことはあり得ない!」
他の神々もまた、アレスに続いて不安と疑念の声を上げた。
「マデスは信頼する神だ。彼が厄災を操るなど…!」
「そうだ、何かの間違いだろう!」別の神が叫んだ。「マデスは我々と共に厄災を退けてきた。彼がその元凶だなどと…!」
マドレシスは黙って彼らの反応を見ていた。彼もまた、この真実を受け入れることができずにいたのは確かだが、碑文に刻まれた事実を否定することはできなかった。彼はゆっくりと神々に向き直り、深く息をついた。
「私も信じたくはない。しかし、碑文に記されていたのだ。18の厄災は、一つの神が持つ18の形態だと。その神が誰なのかを探った結果、マデスであることが明らかになった。」
神々は再び沈黙に包まれた。彼らの中には、怒りと不安が交錯し、その場にいる全員が何か言いたげに見えたが、言葉が出てこなかった。
「マドレシス、本当にそれが事実だというのか?」長老の神が震える声で問いかけた。
「そうだ」とマドレシスは静かに答えた。「私もまだ全てを理解しているわけではない。しかし、我々は真実に目を向けなければならない。もしマデスが18の厄災を司っているのなら、我々の次の戦いは避けられない。」
神々は再び重い沈黙に包まれた。彼らの心には疑念が残りつつも、マドレシスの言葉が重くのしかかり、彼らはこれからの戦いに向けて、それぞれの決意を固めるしかなかった。それしかできなかった。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!