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にぎやかなこの雰囲気。

2階で眠ってる結仁には申し訳ないけど、私は今、とても楽しい。

ママさんと朱里、常磐社長に涼平先生。

みんなが笑顔ですごく嬉しい。



まさかこんな風に自分の人生が進んでいくなんて夢にも思わなかった。

とても悲しい出来事も、今はもう過去のこと。全部、私が強くなるための試練だったんだ。



人生を諦めかけていた私に、理仁さんは希望をくれ、そして、愛をくれた。だから、もう2度と後ろを振り返らない。

前だけを見て……

理仁さんと結仁、3人で生きていく。



「双葉さん。おめでとうございます」



「涼平先生。今日はありがとうございます。理仁さんに聞きました。今、将来のオリンピック選手の育成に頑張ってるって」



「常磐先生のおかげです。まだまだ未熟な僕を引き上げてくれて」



涼平先生、何だかとてもたくましく見える。



「理仁さん、本当に涼平先生のことを大切に思ってます。でも、私も、涼平先生ならみんなに愛される先生になれるって保証します。あんなに一生懸命彼女を探してくれるお姉様方がついてるんですから」



「確かに、僕を支えてくれてる周りの方々には感謝してます」



「これからも、たくさんの人に元気を与えてくださいね。応援してます」



「ありがとうございます。あなたに出会えて、忘れてた感情を取り戻すことができて、本当に良かったと思ってます。理仁さんは、必ず双葉さんを幸せにしてくれますから、末永くお幸せに」



「ありがとうございます。涼平先生も、必ず幸せになってください」



「なりますよ、絶対」



涼平先生の笑顔がとても可愛くて、今までより何倍も素敵に見えた。

間違いなく、この人は素晴らしい人生を歩むだろう。私が心配しなくても、応援なんかしなくても、いつかきっと大きな結果を残すに違いない。その時、また涼平先生に会って、おめでとうと言えたらいいな。



「双葉、ちょっと風に当たる?」



「はい」



「灯り」の入口を出た時、少し肌寒いと感じた。



「みんな楽しんでくれて良かった」



「本当に。素敵な夜ですね」



「双葉……。この場所で初めて話した時のこと、覚えてる?」



「もちろんです」



忘れるはずないよ。

絶対に。



「さっき香里さんが言った言葉。あの日、君に出会ったのは偶然なんかじゃない。生まれるずっとずっと前から決まってたんだ。俺達が出会うこと、そして、愛し合うことも」



「理仁さん……」



「そして、この先のことも決まってる。良い事ばかりではないかも知れない。でも、もし、どんなにつらいことがあったとしても、俺が必ず双葉と結仁を守る。だから安心して一生俺に着いてきてくれ。絶対に離れないって約束して」



理仁さんの目は、一点の曇りもなく私を見つめてる。



「私も、あなたがいてくれたら、どんなことがあっても乗り越えられるって思います。だから絶対に離れません」



「いい子だ。双葉は素直だな」



「本当に思ってますか?」



「ああ。思ってる」



理仁さんは、少しだけ意地悪そうな笑みを浮かべ、私の頭をなでた。



私、少しは素直になれたのかな?

がんじがらめに固く結ばれていた糸が、ひとつひとつ、理仁さんのおかげでほどけてく……そんな感覚が嬉しかった。



「中に入ろうか、みんな双葉を待ってる」



「理仁さんのことも」



「俺達は、みんなに祝ってもらえて幸せだな」



「はい。この世界で1番幸せです」



「灯り」に集まったみんなは、夜中を回ってもなかなか帰ろうとしなかった。誰もがみんな、ここが大好きで、ここにいたいと思ってる。



大切な人達の笑顔に包まれ、理仁さんとの結婚を祝ってもらえたことは、一生忘れない。

朱里が結婚する時も、今日と同じように、みんなでお祝いしたい。



ママさん、朱里。

私達のために、素敵な時間を作ってくれて……本当にありがとう。

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