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テラーノベル(Teller Novel)
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2人ともグラスが空になったので

鹿島のグラスを左手に、自分のグラスを右手にし席を立つ。

鹿島のグラスに手を伸ばそうとしたとき

「あ、ありがと」

と鹿島に言われたので

「ん」

と鼻から出た音なのか声なのかわからない返事をする。

自分のスマホで時間を確認するため

右手のグラスを一度ダイニングテーブルに置き、スマホを手に取る。

電源を入れロック画面に映し出された時間。18時9分。だいぶ時間が経った。

「もうそろ出るー?」

スマホをテーブルに置きグラスを持ち、冷蔵庫に向かいながら鹿島に問いかける。

「んー」

と鹿島の鳴き声の後、間があった。

おそらくスマホで時間を確認するんだろうと思った僕は

「6時10分」

たぶん10分になっているだろうと思い9分ではなく10分と言った。

「あぁー、まだいいんじゃない?」

「そうなん?でも鹿島6時半って言ってたじゃん」

「あぁ、あれね6時半に入れるってだけで

たぶん7時くらいに人集まるだろうから、はやめに行ってもあれだしさ」

聞きながら冷蔵庫を開ける。

「なるほどな?」

話が終わるのを待ってから

「オーラで良い?」

と尋ねる。

「うん。ありがと」

氷は溶け切っていなかったので自分のグラスに氷を1つだけ補充し

2つのグラスにオーラを注ぐ。

ソファーに戻り鹿島の前に氷無しのグラスを

自分の前に溶けかけた2つの氷と1つの新しい氷が浮いたグラスを置き

ソファーに腰を下ろす。鹿島の前にグラスを置いたとき

「ありがと」

と言われたのでまた

「ん」

と返した。

「そういえばご両親と妹ちゃんは?」

そう聞かれたとき背後のテーブルに置いてあるスマホが鳴いた。

僕はソファーから立ち上がりスマホのほうへ向かう。

「こんなに居て今さらすぎない?その質問?」

と少し笑いながら言う。

「ふと気になったもんで」

「父さんは仕事で妹は学校。母さんはぁ~…たぶん買い物」

そう言いながらスマホを持ち上げ電源をつけると母からのLIMEの通知があった。

「なにか買うものある?」

とのメッセージだった。僕は通知をタップし母とのトーク画面を開く。

「妹ちゃん学校なの?それにしては遅くない?もう6時よ?」

「部活だって」

「あぁ~なるほどね?納得納得」

そんなやり取りをしながら指を動かす。

「特にない。」

そう打とうとして手を止める。そして思考を巡らせる。


なにか頼んだほうが帰ってくるの遅くなるか。


そう思い


「飲んでくるからあれだけど帰ってプリン食べたいからプリンをお願いします」


と送信した。トークの一覧に戻りスマホの電源を落とす。

「やっぱり買い物行ってたわ」

そう言いスマホをテーブルに置いた瞬間またスマホが鳴る。

「予想的中〜」

鹿島がテレビのリモコンで録画一覧を見ながらそう言う。

再度スマホを手に取り電源を入れると母からのLIMEの通知。

「スタンプを送信しました。」

の文字。

その通知をタップし再度母とのトーク画面に行き

「ありがと」

と打ち、予測変換のように文字の意味のスタンプが出るため

フクロウが「Thank you」と言っているスタンプを母に送り

トークの一覧の画面に戻り、電源を落とし再度テーブルにスマホを置く。

「あと30分もしないうちに母親帰ってくるからそれ飲んだら出よう」

そう言いながらソファーに戻ろうとし足を止める。

「ん、りょうかーい」

そう言う鹿島に

「ちょ、鹿島来て来て」

そう言い戸惑う鹿島を連れて玄関のほうへ行く。

玄関へ行く廊下を左側に曲がり、曲がってすぐにある階段を登り2階に向かう。

階段を登ると少し開けたスペースがあり

右側の壁にある扉の先には両親の部屋。

そのまま廊下を進み次に近い左側の扉の先には小さなベランダ。

そして次に右側に現れる扉の先は妹の部屋。

突き当たりの部屋が僕の部屋だ。

後ろでキョロキョロ見回している鹿島を連れて自分の部屋に入る。

「やっぱ怜ちゃんち豪邸よな?」

「まぁ狭いって言ったらいろんな人から石投げられるだろうね」

そう言いながら机の上のアクセサリーケースを手に取り鹿島に手渡す。

「そん中にピアスいくつか入ってるから鹿島チョイスで」

そう言いベッドに腰を下ろす。

「任せなさい!」

鹿島は誇らしげな顔をしながらベッドの前のローテーブルにアクセサリーケースを置き

カーペットの上に胡座をかく。

「どれどれ〜」

鹿島が厳選する姿をベッドから少し見下ろす感じで眺める。

改めて自分の部屋を見回したり、鹿島の様子を見たりして2分もしないうちに

「これかな?」

と鹿島がローテーブルに2つのピアスと1つの指輪を置いた。

ピアスはシンプルなリングタイプのものに

星のチャームがぶら下がっているものだった。

僕は2つのピアスをベッドに座りながら、ローテーブルに手を伸ばし手に取り

鏡も見ずにその場で今着けているファーストピアスを取り

鹿島チョイスのピアスを着ける。ピアスを着けている最中に

「それは?」

と顎を使いローテーブルにピアスと共にアクセサリーケースから出された指輪を指す。

「これを小指に着けよう」

と右手の小指をピンと立てながら鹿島が言う。そんな鹿島の小指にも指輪がはめられていた。

「オレあんま指輪しないんよな」

「オレに任すって言ったじゃん」

「それピアスの話な?」

「まあまあまあまあ」

そう言いながら指輪をスッっとの僕のほうへスライドさせる。

そのスライドされた指輪を見ながらも手先の感覚に意識を持っていきピアスを着ける。

ピアス着け終え、ローテーブルの上の指輪を手に取るため前傾姿勢になる。

耳にピアスのチャームが揺れる感覚がある。普段指輪をしないため

あまり邪魔にならないよう利き手ではない左手の小指に指輪をはめる。

ベッドから立ち上がり

「よしっ!オーラ飲んで出よう」

「了解です」

そう言うと鹿島も立ち上がり2人で部屋を出る。

猫舌ということ。

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