テラーノベル
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「…..」
私は真っ暗な部屋の中、カッターで己の身を痛めつけていた。
こうすると、とても落ち着くのだ。
「…..あのくそ野郎…..」
そんな言葉が吐き出る。
くそ野郎とは、夢徒のことだ。
夢徒は私を差し置いて、リユや奈織に構っている。
それがとても許せなくて。
とても悔しくて。
憎くて。
「……っ」
いきなり私の視界が歪み始めた。
これは…..涙、だろうか?
「ゆめと……ゆめとぉ……..!!」
私は叫ぶ。
私が一番愛してる人の名前を。
しかし、叫ぶたびに。
私の中の好きが、どんどんと反転していく。
「あいつなんて…..嫌い…..」
そんな言葉が漏れ出る。
けれど本心かどうかはわからなくて。
「いや…..好きなのか….?いや、私は夢徒が好き…..」
心が、頭が、ものすごくぐちゃぐちゃになってる。
「けどあいつなんて……」
所詮私を捨てたクソみたいな妹だ。
いや、夢徒は大事な妹だ。
そんな<好き>と<嫌い>が、私の中でどろどろとしたなんとも言えない気持ちという形で攻め合っている。
「お姉ちゃん…..?」
突然声が聞こえた。
「っ…..!?」
私は振り向く。
そこには愛してる<憎い>相手がいた。
「夢徒……?」
私はその名前を呼ぶ。
「お姉ちゃん、様子が変だよ….?」
夢徒から心配してる雰囲気が感じ取れた。
「っ…..」
私は一歩後ずさる。
今の私はとても不安定だからだ。
夢徒に触れられたくない<私を抱きしめてほしい>
私をもっと愛してほしい<もう私は見捨てられている>
「……お姉ちゃん」
さらに距離が縮まる。
「来るな….!」<お願い….>
私は怒気を込めて夢徒に言い放つ。
なぜなら、私は今どういう感情で接すればいいのかがわからないからだ。
「もう私に近づくな….!」<夢徒…..私を助けて…..>
そう吐き捨てて私は動こうとした刹那。
「お姉ちゃん」
夢徒の声が、『私の背後から』聞こえた。
「!?」
気づけば私の身体は夢徒に抱き締められていた。
「…..ごめんね….お姉ちゃん…..」
そんな、心の底から申し訳なさそうな声を聞いて、罪悪感が出始めた。
<何で、どうして>
「ゆめ….と…..?」
私は夢徒を恐る恐る見る。
夢徒の顔が、濡れていた。
私と同じように。
「っ….!!」
そうして気持ちが吹き飛んだ。
憎悪なんて、かけらも感じなかった。
そうして私の身体は既に動いていて、夢徒を抱きしめ唇に口付けをした。
「んっ….?」
困惑する夢徒を横目に私は一言言葉を紡ぐ。
何気ない一言。
だけれど、とても恥ずかしい一言を。
「夢徒….愛してるぞ//」
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コメント
2件
いいねー
あおいです🌷第6話、拝読しました。瑠璃花の心の内が<>で二重に描かれていて、本音と建前の乖離が切なかったです。自分を傷つける行為から始まる苦しみの描写に胸が締め付けられましたが、最後に「愛してる」と伝える展開にはほっとしました。夢徒が背中から抱きしめる演出も、逃げ場をなくすようでドキドキしました。複雑な姉妹の関係性、続きが気になります…!