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「…..今日も疲れたな」
私はそんな言葉を呟く。
そして周囲を確認し、懐から小さな箱を出して開ける。
中は円筒状の物が10本ほど入っている。
しかし煙草ではない。
その見た目をした、薬物だ。
だが麻薬等の類ではない。
まぁそれと大差はないが、精神安定剤だ。
「これだけが私の心を癒してくれる….」
私はその中から一本を取り出し、口に咥える。
火は魔術で楽に着火する。
そうして心を落ち着かせていると、不意に声が響いた。
「ねぇ夢徒、なにしてるの?」
「あ….リユ、来たんだ」
「あ、来たんだ、じゃないわよ!」
その瞬間だった。
私の身体が地にたたきつけられる。
「っ!?」
咄嗟に私は動こうとする。
けれどリユに覆いかぶされられ、両手を抑えられてしまった。
「もぅ…..夢徒ったら….」
そんなつぶやきが聞こえたと同時に、咥えていたそれと、箱を丸々取られてしまった。
「どうしてこんなものに頼るの….!!」
そんなリユの怒りと悲しみが籠った声が聞こえた。
「さあね….それをリユが知る必要はないと思….」
「はぐらかさないでよ!!!」
怒声が響き、私の首に何かが当てられる。
そう、ナイフだ。
「っ….」
「言って、答えて。じゃなきゃ…殺しちゃうかも」
「随分と心臓に悪い脅しだこと….」
「脅しじゃないって証明しよっか?」
その言葉と同時に首に当てられてるそれが押し当てられる。
「あぁ….わかった、わかった….だからそれを下げてくれない….?」
私はそう懇願する。
「ほんとに全部喋ってくれる?」
そんな質問が帰ってきた。
「…..うん」
私が了承すると、リユはそれを懐にしまった。
「じゃぁ私の質問に答えて。嘘を言ったら殺すから」
「わかってる….」
そう言うと、早速それを投げてきた。
「じゃぁ一つ目….なんでまだこれを吸ってるの?」
「はは….これが一番手っ取り早い心の回復手段だった…それだけだよ」
そう返すと、リユの顔に悲しみの色が浮かんだ。
「そっか….私じゃ、満足できなかったの….?」
「いや….そんなわけじゃ….」
私は言い訳をしようとした。
だがそれは許されなかった。
「言い訳しないでよ….そういうことでしょ….?」
「っ…..」
何も言い返せなかった。
けれどリユでは満足できなかったわけではないのだ。
ただ私が、求めすぎている。
それだけなのだ。
「ねぇ夢徒….お願い….」
「なあに….?」
私が聞き返すと、容易にこなせるお願いがされた。
しかし同時に、今の私にとってはとても辛いお願いを。
「そんな薬を吸わないで…..私だけを見て….?」
コメント
2件
👏
「私だけを見て...」って最後の台詞がもう、切なすぎて胸が締め付けられたよ😭💔 夢徒くんの心の隙間を埋めてるのが薬なんじゃなくて、実はリユちゃんの存在が本当は必要なんだろうなって思ったら...。脅し口調の奥にあるリユちゃんの必死な想いが痛いほど伝わってきたよ!次、夢徒くんはどう向き合うんだろう…続きが待ちきれないよ〜!