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鷹槻れん

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鷹槻れん

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#恋愛
水無月 京
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#オフィスラブ
草原草原

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加那太は付き合い始めた当初は映画や食事に誘ってくれたけれど、次第に外でのデートを拒むようになった。
元からかなりのインドア派だったようで、私が想像する以上に山や海が苦手なのだと知った。
「俺の家で動画を見るか、ゲームでいいんじゃない?」
冬は寒い、夏は暑いと言って、結局ひとり暮らしをしている加那太の家に居続けることになるのかな。
そんな考えがよぎったけれど、私は加那太に会いたい気持ちが強かったからすぐさま頭から消そうとした。
どこでデートするかを問題視せず、彼との時間をなによりも大切にして、愛を育んでいきたかったのだ。
彩羽からは世話をしすぎだとあきれられているけれど、恋人である私だけの特権のような気がしている。
加那太はすべてオープンにしているから、これでは隠し事なんか絶対にできないし、私にとってはある意味安心材料なのだ。
それから三日後、久しぶりに彩羽と大学の近くでランチを食べる約束をした。
待ち合わせたのはふたりでよく利用しているイタリアンレストランだ。
「もういい加減にしなよー」
彩羽がしかめっ面で溜め息を吐きだした。彼女のかわいい顔が台無しだ。
「冴実が一生懸命に恋をしてるのはわかってるけど、さすがに世話を焼きすぎだってば」
「……やっぱりそうかな?」
「自分でも気付いてるくせに。掃除、洗濯、料理……まるで母親みたいだよ?」
あきれ果てた彩羽が豪快にパスタを口に放り込んだ。
加那太はよろこんでくれているし、私も好きでしているのだから、なにも問題はないはずなのだけれど。
それに、ふたりで甘い時間を過ごすときもあるから私は紛れもなく彼の恋人で、母親とは違う。
「加那太は家事が苦手なの。私が手伝ってあげないとできないんだよ」
「じゃあせめて、ご飯は外で食べるとか!」
「家がいいんだって」
彩羽は眉をひそめ、「うわぁ」と小さくつぶやきながら首を横に振った。
彼女には私たちの付き合い方がまったく理解できないらしい。
「それって彼氏のワガママじゃん」
「私の作る料理が好きだって言ってくれてるの」
「そう言われたら悪い気はしないから作ってあげたくなるもんね。でもさ、細かい話だけど食材を買うお金はどうしてるの? 彼氏は出してる?」
痛いところを突っ込まれ、私は視線をテーブルへと下げた。ここは正直に話すしかない。
「……たいした金額じゃないよ」
「信じられない。冴実に料理させて、彼氏はいつもタダ食いなわけ?」
「私が勝手にしてるの。そんなふうに言わないで」
私は苦笑いをしながら、顔をしかめたままの彩羽をなだめた。
彩羽は私を友達だと思っているからこそ苦言を呈しているのだ。
「ごめん、言い過ぎた。冴実が尽くしてる分と、彼氏からもらってる愛情が釣り合ってない気がして、嫌な言い方しちゃった」
急に反省するように彩羽が謝ってきた。
彼女の意見も理解はできるので、私はやわらかな笑みと共に「大丈夫」とうなずいた。
私は一日二十四時間ずっと恋をしている自覚がある。
彩羽からは「彼氏の言いなりになってはダメ」と釘を刺されているが、加那太が望むならなんでもしてあげたい。
愛し合っていたらお互いに相手を思いやれるし、ずっと仲が良いまま一緒にいられる。私はそう信じて疑わなかった。
コメント
1件
みぅだよ🤍🥀 第16話、読んだよ。 冴実の尽くす姿が美しくて切なかった。「私が勝手にしてるの」って言いながら、彩羽にまで疑われても笑顔を崩さないところが、逆に胸に刺さるの。 愛情って、釣り合ってなくても続くのかな。 でも、自分から「こうしてあげたい」って思えることが、もうすでに歪みの始まりかもしれないね。 冴実が「愛し合ってたら思いやれる」って信じてるのが、なんだか怖いほど純粋で…続きが気になる。