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ー既成事実はない……多分ー




糸師凛:

「何が『よく会いますね』だ。寝ぼけてんのか?」

「……離せって言ってんだよ。」




夢主:

「ん?夢……じゃないの?」




(もそもそと自分の手をを動かすと、

何か生暖かい感触が……)





夢主:

「……ん?なんか、あったかい……?」


(ハッと目を開けて、目の前にあるのは大怪獣様の素肌――)







夢主:

「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああ!!」

「なっ、なっ、なんで服着てないの!?」






(がしっ)

大怪獣様は無言で夢主の口を押さえ、

冷たい目で睨む。




糸師凛:

「うるさい、黙れ。」

「何回同じこと言わせんだ、このカス……。」

「お前が俺の服に吐いたから、仕方なく脱いだんだろうが。」

「クソが……見捨てりゃよかった、こんな奴。」





夢主:

(震えながら)

「か、カス……クソ……っ……。」

「あの……すみませんっっ!本当にごめんなさいっっ!!」

「昨日のこと……何にも覚えてなくて……っ。」






(夢主の顔がみるみる赤くなり、意を決して質問をする)




夢主:

「ところで……非常に聞きづらいんですけど……。」

「……何も、ないですよね?」







(大怪獣様は無言で夢主をじっと見た後、話題を変える)



糸師凛:

「おい、なんか服貸せ。」





夢主:

「えっ、あの……無視!?ちょっ、服……ですよね!?ちょっと待っててくださいっっ!」




(心の中で絶望する夢主)






夢主(心の声):

「あれ、待って。オタク喪女の部屋に男物の服なんてあるわけなくない?」

「いや、どうしよう……変な服しかない……。」

「かろうじてあるのは……あの売れ残りの、グロテスク怪獣裏起毛パーカー……。」

「これを、あの超絶イケメンに着せるの?……非常にまずくない?」






糸師凛:

「おい、固まってねぇで、早くしろ。」





(おずおずとパーカーを差し出す夢主)



夢主:

「あのぅ……少し個性的な品ですが、決してバカにしてるわけではなくてですね……。」

「至って真剣というか……なんというか……とりあえず、まだ殺さないでくださいっっ!」





糸師凛:

(無言でパーカーを受け取り、少し眉をひそめながら)

「これ……。」


(小声で)

「……前、欲しかったけど買えなかったやつだ。」






夢主:

「えっ?」






糸師凛:

「なんでもねぇ。さっさとそっち向いてろ。」






ーーーーー

(着替え後)


(夢主、凛に向き直り、真剣な顔で)


夢主:

「あのぅ……再びで非常に恐縮なんですが――。」

「昨晩私は、大怪……いや、あなた様に、一体何をしでかしてしまったのでしょうか!?」

「そして……私たち二人には、何かが起こってしまったのでしょうか!?」





(オタク特有の距離感が分からない感じで、ぐいっと前に詰める夢主)




糸師凛:

(少し後ずさりして)

「……近い。離れろ。」

「めんどくせぇ、質問が多いんだよ。」



(内心呆れつつ、軽く舌打ちしながら)







(凛が溜息をつきながら説明を始める)




糸師凛:

「テメェがいきなり俺にしがみついてきて……。」

「強制的に家まで送らせたんだろうが。」

「その途中で俺の服に吐きやがったから、着る物なくて帰れなくなっただけだ。」


(指をさして、夢主が吐いた服を示す)






夢主:

「……ぁぁぁ……。」

(夢主、両手で頭を抱える)

「走馬灯のように、昨夜の葬り去りたい記憶たちがよみがえってくるぅぅ……。」






糸師凛:

「……理解したか?」








夢主:

(床に頭を擦り付ける勢いで謝る)

「はいっ……誠に申し訳ございませんでしたぁぁっっ!!」

「ク、クリーニングに出してお返しいたします!!お詫びのしようもございませんっっ!」


(顔を上げて、凛を見つめながら)

「なにを、なにを差し出せばいいでしょうか……!?い、命ですか?ぐぅ…それは……新作!?新作が完成するまで待ってくださいぃぃっっ!!」




糸師凛:

(顔を引きつらせながら、一歩引いて)

「だから近いって!」

「お前、俺を何だと思ってんだよ……!」


(内心呆れつつ、ため息)





糸師凛(心の声):

「……こいつ、ウルセェ……。」





(夢主の部屋にアラームが響く)


糸師凛:

「……時間か。」

(時計を確認しながら、立ち上がる)



糸師凛:

「おい。俺は行く。」

「バカ女、服返せよ。」




夢主:

「あっ、あの……!」

「介抱してくれて、本当にありがとうございましたっ!」




(ちらりと振り返るが無言のまま部屋を出ていく)


(ドアが閉まる音が響き、静寂が戻る)





夢主(心の声):

「……結局、既成事実は……ない?」

「……多分。」





(夢主が力なくベッドに倒れ込む)













おまけ


ー糸師家某日ー


糸師冴:おい、凛なんだそのTシャツ…


(非常に気持ち悪い怪獣がプリントされた、なんとも言えないパーカーを見つめる)



糸師凛:あ?うるせークソ兄貴やらねぇからな!



糸師冴:…(否定するのもめんどくさくなった)



人の好みは、それぞれだよな。

糸師冴は、優しいお兄ちゃんなのであった。





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