6話!ありがとうございます。
短いですが、、、。
嗚呼、可哀想な佐野さん……すきです。
「ただいまぁ」
仁人の家とは違う、だれもいない新しい家に住みはじめて数日。
いまでも「おかえり」を求めて吐く言葉は空気に溶けた。
ここに来た日から、帰り道に買った夕食を食べても、風呂に入っても、布団に潜っても、嫌に孤独を感じる。
あれ、今までも一人で生活してたはずなんだけどな。
たった2日間、仁人と過ごしただけで。
寂しくて変にいろいろ考えてしまう。
あの犯人がまた今の家も特定するかもしれない。
実はもう知っていて、家の中にいるかもしれない。
デリバリーしたら来る人が犯人かも。
犯人はスタッフで、迎えに来たと思ったらどこかに連れていかれたりしたらどうしよう。
そう思うと、また夜は眠れなくなった。
布団の中で震えて朝を待つ日々。
もう、メンバーと家族しか信じられない。
どれも、仁人と過ごしていたときは頭の片隅にも思わなかった。
いやむしろ、何もかも忘れてしまうほどだったのに。
仁人とともに家で過ごす時間はとても穏やかで、だれの邪魔も入らないあの会話や触れ合いが、ただただ恋しい。
夜も眠れずご飯も買い食いだけの生活は身体に悪影響を与え、心身ともにもう限界だった。
自分でも何故か分からないミスが増えた。
感覚が鈍っていて、上手く判断ができなくなっているのだ。
その自覚はあるのに、どうにも直せない。
仕事へのプロ意識はあるので、いつも通り乗り切ってる……はずではある。
けれど、目の下の隈やあからさまな愛想笑いはやっぱり怒られる。
俺だって、すきでやっているわけじゃない。
ファンにはいつだって元気な姿を見せたいし、心配なんてさせたくない。
それでも、ネットを見ても体調を不安する言葉ばかり。
それ、スタッフにも言われたよ。
気をつけてるよ。
でも、家は安心できないし食事は喉を通らないし夜は恐怖に襲われるし、寂しい。
俺自身は精一杯がんばってるのに、生きたいのに、俺自身が生きることを拒んでるみたいだ。
早くメンバーに、仁人に、あいたい。
直近のグループ仕事は明日。
この孤独は、ひとりで抱えるには重すぎる。
じんと、たすけて、
コメント
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今回も最高すぎて、サッカー部のエースと吹部の姫もだいすきなので、ずっと待ってます!!
続き待ってます!あとサッカー部のエースと吹部の姫も好きなので続きが見たいです😘