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ユキ:どうして人が人を殺すのか知ってる?
ミナミ:急に何?そんな事知る訳ないじゃん、てゆーか興味ないし。
ユキ:そっか。
ユキ:…じゃあさ、キミはどうして今生きてると思う?
ミナミ:どうしてって、産まれてきたから?
ユキ:違うよ。
ミナミ:え?
ユキ:今キミが生きてるのは、ボクがキミを殺していないからだよ。
ミナミ:…はあ?意味分かんないだけど。
ユキ: 分からなくて良いよ、どうせキミも他と同じ。すぐに終わっちゃうから。
ミナミ:!
ユキ:刃物はとても美しい、銃や爆発物とかとは違って肉がぐちゃぐちゃにならないから。
ミナミ:…ちょっと!何する気!?
ユキ:心配しなくていいよ、安心して。
ミナミ:…嫌ッ!お願いやめて!
ユキ:ごめんね、でも…これは約束だから。キミは運が悪かっただけ、誰にでもある何も珍しくない出来事。
ユキ:そう、そのまま忘れ去られていく。…こうやって。
何度も何度も銀色の殺意を彼女の胸に刺し続けるうち、耳に突き刺さっていた彼女の悲鳴や痛がる声は既に途絶えていた。握りしめていたナイフは微笑み、「よくできたね」とボクに言ってくれている様だ 。それからボクは血で濡れた愛人を頬にあて、冷たくなった温もりの余韻に浸っていた。
人生はとても苦いチョコレートの様。苦しみから逃げ出したいのならば快楽に溺れてしまえばいい。くだらない幸福を求める愚か者ほどすぐに堕ちてゆく。何事も見た目だけで判断してはいけない。チョコだからといって全てが甘いとは限らない、甘いか苦いかは食べてみなければ分かる筈がない。
同じ様に、殺してみなければその人が善人か悪人かは分からない。
…そうでしょう?