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「アスチルベ」
そう呼ばれた時にはもう手遅れだった
「待って下さいまし、お兄様」
わたくしはアスチルベ・インパチェンス
生まれ故郷、ウィンター帝国を守護する
インパチェンス公爵の娘です
あちらにおられるのが
『イベリス・インパチェンス』
わたくしのお兄様です
「アチル、おいで」
今は家族旅行でサマー公国に来ています
「…アチル」
「?」
「外に出てみないかい?」
「え…」
「少しの間だけだから、ね?」
「ありがとうございます!お兄様」
「好きな物を買いなさい」
「はい」
あ、お兄様のアンクレットの色違いだわ!
あのネックレスも良いわね、迷っちゃうわ
「あの…」
誰かしら?
「はい、どうしましたか?」
「あ、違いました」
何だったのでしょうか?
「いた!イベリス!」
「お兄様、知り合いですか?」
「…アチル、警備兵を呼んでくれないか?」
「分かりました」
お兄様、困惑しているわ
早く探さなければ
「レディー、困り事ですか?」
また誰かしら?
「はい、警備兵を探しているのですが…」
「僕が行こう、こう見えて
騎士の称号を持っているからね」
偶然だわ
「ありがとうございます、こっちです」
「あ、お兄様!」
「!アチル、ありがとう」
「イベリスも覚えていないなんて…」
「失礼ですが…貴女のお名前は?」
「へ?エビネだ!覚えてる?ネペタだよ?」
「イベリス…早く行け」
「ありがとう、アチル行くよ」
「はい、お兄様」
「お兄様、あの騎士様は知り合いですか?」
「学園のクラスメイトだよ」
「そうなんですね」
「…あの娘、聖女かもしれないね」
「え…」