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「も、….とき?」
二人っきりの部屋。
緊張感と気まずさに包まれたこの空間で、
やっとの思いで絞り出せた声が発したのは、この三文字だけだった。
「若井、ごめん。」
元貴はそう謝ってくる。
なんで、
あの時俺は嬉しかった。
抑制剤をもっていなかったあの時には、playをしていったん欲を満たすしかなかった。
あの時俺は、Subが、Domとのplay時に、強い不安に陥ること、通称”Sub drop”になってしまっていた。
そうなると、抑制剤で体に負担をかけて無理やり”Sub drop”から抜け出すか、パートナー、もしくは別のDomとのplayで上書きするのが対処法だった。
“Sub drop”は、欲求不満だったsubが特に陥りやすいから、後方のほうが効果的で体にかかる負担が少ないといわれている。
元貴は俺の体の負担も考えて、上書きするほうを選んでくれたのだ。
本当に感謝しかない。
すると元貴は床にペタ、と座り込んだ俺をぎゅっと抱きしめ、
「…でもなんで言わないんだよ。」
そう耳元でぽそっと呟いた。
「….ごめん。」
スランプ気味です…。