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「……聞いたか? いろり」
「は、はいっ……! じゃあ、私、これから蛇珀様と……お昼間も、人前でも、お出かけしたり、食事をしたり……できるんです、よね?」
「そうだな、神だったらできねえことも全部しようぜ」
いろりの胸が、目頭が熱くなる。
「こ、こんなに一度に嬉しいことが起きて、あ、頭がパンクしそうです……私なんかが、こんなに幸せでいいんでしょうか」
「今そんなこと言っててどうするんだ。これからもっと幸せにしてやるから……覚悟しとけよ」
「はっ、はいぃ……!」
「いろり……」
「蛇珀様……」
「……まだ私が覗いておることを忘れておらぬか」
途中から完全に二人の世界に昇天していた蛇珀といろりは、狐雲の声で飛び跳ねた。
「よいよい、誠懐かしき。邪魔者は退散しようぞ。……ああ、一つ言い忘れたが」
「なんだよ?」
「一応は人同士故、子を成すことも可能ぞ」
からかうように薄く笑いながら言う狐雲に、いろりは思わず固まった。
「い、いやらしい言い方してんじゃねえ狐!」
「ふ、人としての生活に最初は戸惑うことも多かろう。私でよければいつでも相談に乗るぞ、蛇珀」
「いらねえよ!!」
天井に向けた蛇珀の怒声を最後に、狐雲の気配が途切れた。
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