テラーノベル
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「お疲れ様でしたーっ!」
スタジオに、らこの弾けるような明るい声が響く
撮影を終えたばかりの彼女は、スタッフやミリメンと喋っていた。
「らこちゃーん!今日も本当に可愛い〜!」
このみがらこの細い肩を抱き寄せ、頬ずりせんばかりに可愛がっている光景は今のゆらぎには耐えがたいものだった。
「ふふ、このみさん、ありがとうございます」
らこは拒む様子もなく、むしろ楽しそうにその身をゆだねている
(……らこ。そこ、私の場所なのに。私だけじゃ、足りないの?)
資料を持っていることを忘れて、手を握り絞める。
窓の外では、激しい雨が降り始めていた。
仕事を終え外に出ると、らこが困り果てた様子で立ち尽くしていた。
「傘、盗まれちゃったのかな………」
「……入りなよ」
「ありがとうっ!ゆらぎさん」
差し出された1本の傘の下、触れ合う肩の熱が雨の冷たさをかき消していく
ゆらぎ家到着
「ここまでありがとう ここからは走って帰るよ」
「…この雨で傘なしで帰ったら風邪ひくよ、うち泊まって行きなよ。」
「いいの?ありがと!」
コメント
1件
天才。最高。