テラーノベル
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低音 リリナ
180
【元】空乃 風♋🥀🐇
208,673
⚠️【裏切り】
馬鹿馬鹿しい
なにが仲間だなにが信頼だ
そんなもの…あるはず無いのに。
目が覚めると自分の家の天井
息を切らして、汗で濡れている
なにかをしたいとも思えない
時間は4時…まだ寝られるが……寝たくもない。
動かないと、と、思い重い腰をあげる
シャワーを浴びてヨーグルトを食べる
ニュースなどでめぼしいものは無いかと見る。
そんなこんなをしているとあれから2時間も経っていた。
時間というものは早い。
カレンダーを見ると明日の日付に丸が書いてある。
今日で俺はホークアイズから抜ける
仁とおっさんには内緒で
ネストの情報を持ってパリに帰る
それが、俺が日本に来てネストに入った理由。
こうなることは、はじめから分かっていた
だから、割り切ったのだ
家を出る時間になったから俺は玄関に行き靴を履く。
この家ともお別れだ
って、言ってもなにも無いけど
ベッドと備え付けのキッチンと冷蔵庫だけ
テレビも机も無い
必要なかった。
瑠「さようなら、2年間ありがとうな」
そう言って俺は家から出た。
事務所に向かっている途中でいろんな奴に出会った。
いつものことだけど…これで、最後だと思うと…
なんだか、くるものがある。
事務所の扉の前までに来て…俺は息を整えて笑顔をつくる
この2年間、仁にだってバレていない演技
ずっと…隠してきた。
物怪瑠衣をずっと演じてきた
物怪瑠衣は
馬鹿だけど明るくて誰からにも好かれる少年…俺がなりたかった存在。
本当の俺とは反対の存在…
能ある鷹は爪を隠すというが…実際そうなのだ
無知である方が楽なのだ
無知は罪だと言うのなら天才は悪だ
馬鹿馬鹿しい…なにが仲間だなにが信頼だ…
そんなもの…はなから無いくせに
事務所の扉に手をかける
中に入り大きな声で挨拶をする
物怪瑠衣を演じろ
自分のことなんてどうでも良い。
人を信じるな、未来を見るな
希望を持つな、幸せになろうとするな…
仁「騒がしい奴だ…」
瑠「はぁ!?んだと!!」
杖「こら、やめなさい」
瑠「ちぇ~…」
仁「瑠衣………」
瑠「なんだ?」
仁「お前、俺らに隠してることあるだろ」
瑠「は?」
仁「勝手にいなくなろうとするな…馬鹿」
なにを…言ってるんだ?
まさか…バレてた?いつから?どこまで知ってる?なんで、今言う?
頭の中が?マークでいっぱいになる
瑠「なんの…ことだ?」
杖「…………少し前にネストから言われた」
コーヒーを飲んでいたおっさんが話始める
杖「物怪瑠衣は……スパイの可能性があると、それについて調べてほしいと言われた」
仁「調べた結果、ネストの情報を持って逃げる気だったんだろ?明日…」
瑠「………………」
そこまで…バレていたのか
あぁ…これだから天才は嫌いなんだ
いつも…全部知っているかのような立ち振舞い。
腹が立つ…本当に……なにも知らない部外者のくせに…
瑠「…………だったら…なんだ?そうだよ、ずっと騙してきた。」
仁「なぜ、なにも言わなかった。なんで…俺らに近づいた」
瑠「扱いやすかったから、物怪瑠衣をつくる上でホークアイズに入った方が効率的だと判断したから。」
杖「瑠衣…私たちは仲間ではなかったのか?」
瑠「仲間?ふざけるなよ…そんなもの…あるわけ無いだろ。俺のこと何も知らないくせに仲間ズラすんなよ。気持ち悪い…」
杖「…………」
仁「瑠衣、お前本気か?」
瑠「本気だ、俺はネストの情報を盗む為にホークアイズに近づいた。はじめから2人のことは任務を遂行するためだけの道具なんだよ」
空気はどんどん凍り始める
仁「なら、なぜ…お前は怯えている」
瑠「は?」
仁「俺の目を欺けると思っているのか?手の震え、声のトーンからお前は今なにかに怯えている…助けてほしい目をしている」
瑠「なんだよ…それ…変なこと言うな…俺は怯えてなんかいない…そうだよ!仁になにが分かるんだ!俺のこと何も知らないくせに!!本当の俺なんか…見向きもしないくせに……今さら…仲間ズラすんなよ……」
苦しい…悲しい…痛い……なんで?
なにが…こんなにも嫌なんだ?
助けてほしい……でも…俺にはそんな資格は無い。
杖「私たちは仲間だ、瑠衣がなんと言おうがこの2年間私たちは確かに瑠衣を見てきた」
瑠「っ…だから、あれは、演技なんだよ!皆が求める物怪瑠衣を演じていただけ!!本来の俺じゃねえんだ!!」
仁「なら、今はどうなんだ?声をあらげているお前は…いったい誰なんだ?」
今の…俺?
これは………いつの物怪瑠衣?
ホークアイズにいるときの物怪瑠衣?
華道をするときの物怪瑠衣?
社交界をするときの物怪瑠衣?
あれ?そういえば…本当の俺っていったいなんなんだ?
本当の自分って…なに?
瑠「わからない…」
わからない
わからない
わからない
わからない
わからない
わからない
わからない
俺は…いったい
瑠「だれ?」
杖「瑠衣…たとえ……どんな姿だろうと瑠衣は瑠衣なんだ、性格が変わっても見た目が変わっても…瑠衣であることを私たちは忘れない。」
なんで…そんなに優しくするんだ?
しなくて良いのに……殴って軽蔑しろよ
それが、普通だろ?
なに…いっちょまえにカッコつけてるんだよ……
それが、あたかも…普通みたいにさ。
馬鹿なんじゃねえの?
アホなの?
なんで…なんでだよ……
瑠「見捨てろよ…」
仁「馬鹿が…見捨てるわけ無いだろ」
瑠「見捨てないと…後悔するぞ?ホークアイズとしての信頼は落ちるし…そしたら序列も下がる。前みたいになれないぞ?」
杖「瑠衣が犯した罪は気づかなかった私たちの罪でもある。だから、共に背負う地獄に行こうがなんだろうが…私たちは仲間を見捨てはしない。」
もし……小さい頃に2人に会えていたら…
違う運命があったんだろうか?
普通の子供になれたのかな?
社会の闇に蝕まれずにすんだのかな?
死にたいと…思わずにいられたのかな?
瑠「っ…あ……あ…あぁ…ごめんなさい…」
仁「お前がいなくなるよりましだ。頼むから…もう、二度と俺らから逃げようとするな…離れるな」
瑠「う…うぁぁあああっ」
柄にもないことをしたのは覚えている
赤ちゃんみたいに声をあらげて泣いて
そんな俺を仁とおっさんは優しく抱き締めてくれて…
あぁ…俺はまだ……ここに居たいと思ってしまった。
もう…本当の俺は居ないかもしれない
見つからないかもしれない
でも…なんとなく思ったのだ
この2人と居ればきっと見つかると
失くしてしまった自分を見つけられると
そう…思ったのだ。
コメント
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瑠衣様〜 泣かないで〜 次回も楽しみにしてます

推しが苦しむところを見れて、私嬉しい(かわいそうだけど、)
仁くんと杖道さんの"たとえ地獄でも一緒に"みたいなのがかっこいい...!