その人とは、学校で全くと言っていいほど喋らなかった。
喋る勇気がお互いなかった。
…でも、2人きりではなく、大人数でいると沢山流れで話すことが出来ていた。
そんな状態で僕は…
「ねぇ、今日璆の家に遊びに行っていい?」
そんな事を聞いた。正直、その時の自分の気持ちを知りたい。
断られるかと思った。少し怖かった。でも彼は…
「うん。」
それだけを口に出し、答えてくれた。
少し怖かった分、凄く嬉しかった。
下校後、僕は璆の家へと行った。
「…あそっか!だったねw」
薄ら笑い。初めて見た笑顔はこの笑顔。
家の中でも、僕らはフォートナイトをしていた。
でも、近くにいる方がよっぽど楽しかった。
時が過ぎて・・・
「あ、そろそろ帰らないと。」
僕はそう言って準備をする。
「そっか。…じゃあ気をつけて帰ってね。」
表情は変わらない。そんな事でも彼は知られていた。
そして、この頃に気付いた。
なぜ、家が近いのに関わることが無かったのか。
…それは、お互いを知らない人と思っていたから。
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