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レンコン 煮付け
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コメント
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うわっ、この回めちゃくちゃ重厚でしたね…!竜馬があの重役たちの前で「アレンCEOの言葉です」って言い放つシーン、ゾクッとしました。普段の温かさとは違う威厳があって、キャラの新たな一面を見た気がします。それと対照的に、ジャスティンとセドリックの「トムとジェリー見る?」「見る♪」のやり取りがもう…優しすぎて泣きそうになりました。宗一郎がジャスティンに「あて」にされて泣きそうになる場面もグッときた。設定の重みとキャラの厚みがしっかり噛み合った、素晴らしいエピソードでした!
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竜馬と宗一郎は、ジャスティンの会社の8名の重役と面会した
つい先日、ジャスティンが幹部団に自分は半ば引退し、宗一郎と竜馬が残りの仕事を引き継ぐことを表明して以来、組織の中ではある緊張が続いていた
ファンド会社などの組織体の支配権の相続は、そもそも世襲などではなく、いずれの会社においても強力な幹部のトップが役員の地位を継承する場合がほとんどだ、もしくはそれがなくとも彼らには分離し、自分自身の会社を持たせてやることが筋である
それが当然だと思っていた彼らにとって、どこの馬の骨かわからない宗一郎と竜馬は、あまりにも若く経歴も無く、話にならない凡庸な後継者に映った
しかし宗一郎と竜馬には何よりジャスティン直属の陣営が味方に付いてくれていた、そこには秘書のパク・ソジュン、副社長のロレックス・シャンペーン、総合顧問弁護士のジャック・サブ・マリーナをはじめ、長年ジャスティンと仕事をしてきた重役達はみんなジャスティンを尊敬し、ジャステインに対する忠誠心が非常に強かった
宗一郎の経営計画に反対意見はなく、みんなが竜馬と宗一郎を支援しできる限り力になると言った、さらにジャスティンはこの数か月、二人の師匠(メンター)であり、二人がジャスティンの会社の複雑な仕事を、実に素早く理解するのに秘書のソジュンはじめ、一部の宗一郎達を知る幹部は驚嘆していた
彼らは宗一郎と竜馬の能力に絶対の信頼を置いていなかったらジャスティンは決して引退しなかっただろうと考えて、とうとう二人を受け入れた
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その一方で反対派の役員は、竜馬が口を開くのを待ち受けていた、彼らから見れば竜馬はまだ新しいCEOではなかった、彼がその新しい称号や地位を受けるに値するだけのことをまだ果たしていないと思っていた
そして竜馬はそんな彼らに対して、この先の暫定的な計画を説明した
「お忙しい中お集まりいただき、 ありがとうございます、皆さんは各部署の日常業務をこのまま責任をもって続けてください」
竜馬は切り出した
「決定にアレンCEOの承認が必要なことがあれば、私が彼に伝えます、遠慮なく行動計画票を私に渡してください」
この部屋にいる役員の中に本気で今の容態のジャスティン・アレンがまともな決断を下すと信じている者がどれぐらい、いるかどうかは疑わしかった、さらに竜馬は続ける
「私はここにいらっしゃる皆さんの胸の内は十分理解しているつもりです、みなさんのアレンCEOに対しての尊敬、忠誠は疑う余地はありません、しかし今は皆さんご自分自身とご家族の事を心配しなければいけないのも私は知っています、この出来事が皆さんが計画してきたことや、私達が進めてきた事業に影響を及ぼすのではないかと、不安に思われていらっしゃるとは思います 」
言葉は丁寧だが、同情もなにもない雰囲気が竜馬には醸し出されていた
「しかし、それに対する私の答えは一つだけです、全てはアレンCEOが健全だった頃のように皆さんを路頭に迷わせることはないとお約束します、むしろそれより状況は良くなるでしょう」
その次の事業計画発表は、宗一郎が引き継いだ
「まずは来年以降 「メガロス・アレン・エンタープライティス」は 本拠地のここシカゴともう一つの新しい新天地に移る計画を進めています」
一気に幹部軍がざわつき始める、みんなそれぞれが小声で自分の意見を口々に言っている、宗一郎がハッキリと言う
「この件に関してはアレンCEOと私達で何度も話し合い、吟味して、これこそが我が 「メガロス・アレン・エンタープライティス」にとって将来性のある事業だと確信しています、事業をうまく軌道に乗せるには二年か三年あるいは十年ぐらいはかかるかもしれませんが、この計画が軌道に乗れば、ここのシカゴ本社を土台として、さらに大きな世界的事業展開が望めます 」
幹部の何人かはうめき声をあげた
「リ・・・ リスクの分散はどうなっているんだね!」
一人の丸顔の中堅の幹部が心配そうに言った、竜馬は静かに言った
「逆にこの流れに口を挟むリスクはお考えですか?今、私はアレンCEOから言付かった「決定事項」を話しているんです 」
シ・・・ン・・・と空気が張り詰めた
「私の言葉はアレンCEOの言葉です」
竜馬の言い回しは、ごく普通の音声で言われたのだが、その効果は人をヒヤリとさせるような威厳があった、誰もが 「メガロス・アレン・エンタープライティス」の CEOを知っているのなら、まるで竜馬にジャスティンが乗り移ってるように見えたことだろう、秘書のソジュンでさえ、驚いたと言うように目を見開いて竜馬を見た、宗一郎はただ面白そうに口の端を上げた
「ま・・・松下・・・CE・・O・・・気を悪くしないでほしいのだが・・ 」
「私は気を悪くなんてしてませんよ、むしろ皆さんが悪くされているのを感じています 」
もう一人の狐顔の幹部が竜馬の顔色を見ながら言った
「で・・・出来ればで・・・電話でもいいので、アレンCEOの承諾が欲しいのですが・・・」
「それではこちらにいらっしゃるお二方がいらした意味がないでしょう 」
副社長のロレックス・シャンペーンが笑いながら言った、たっぷり時間をかけて竜馬がじっと幹部連達を見つめ、氷のような声で言う
「アレンCEOはとても大切な時期です、今は・・・皆さんはただ腰をすえていてくださいそして・・・・ その時が来たら・・・ 」
ここにいる全員が竜馬の言う「その時」の意味を把握していた、もはや誰も竜馬の話に口を挟む人間はいなかった
「その時が来たら、誰に何を言われようと、私はアレンCEOに一任された最後の決定を下すことになるでしょう 」
竜馬は幹部団の驚いたような顔を無視して話を終わらせた、そしてタイミング良く、宗一郎が立ち上がり、ここからは俺の見せ場だとでも言うように、嬉々として半期の財務報告書を手に、幹部団を厳しく問い詰めだした
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夕方のミシガン湖は寒く・・・風が強く吹いていた、美しい湖には雲が流れ過ぎる度に隠れていた太陽が、一直線に湖を射す・・・その光はまるで羽ばたく鳥の翼のように広げては縮まりを繰り返して変化した
ジャスティンは身動きひとつぜず・・・ただひたすら・・・じっとそれを見入っていた、その時、彼の隣でコホンッという咳払いが聞こえ、ジャスティンの物思いに邪魔が入った
「ジャスティン・・・ ここ、寒い、おうち、入る 」
ジャスティンの横でセドリックが優しく言った、ジャスティンの肩にセドリックの手編みのショールがかけられた、ジャスティンはそのショールに頬ずりした・・・柔らかい紫色のモヘア毛糸で、とても暖かで気持ちがいい・・・右耳には竜馬のプレゼントのゴールドのピアスが光っていた
「大丈夫だよ セドリック 」
ジャスティンはセドリックのグローブのような手を握った、セドリックはその手を握り返し、首を振った
「マミー言ってた・・・(大丈夫)は気持ちを表す言葉、体調とは関係ない 」
「なんて賢い女性だ」
二人は見つめ合い、微笑んだ、そしてゆっくりした足取りで、セドリックが屋敷に向かって車いすを押した
「セドリックトムとジェリー見る?」
「 見る♪ 」
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ジャスティンはこの数か月で、宗一郎と竜馬の師匠(メンター)になっていた、特に宗一郎は、ジャスティンが想像していたよりも人員削減リストラコンサルタント会社の複雑な仕事を実に素早く理解し、吸収していくのに感銘を受けていた
実際、宗一郎とジャスティンの仕事の仕方はよく似ていた、切る枝葉には容赦しないのだ、そしてそれは大企業を運営していくためには、必要な気概だった
そして、竜馬がコンサル会社に営業に行っている午後、宗一郎はジャスティンの部屋で、紅茶を飲みながら打ち合わせをしていた
話は今、宗一郎が手掛けているA社が買収の申し出を拒絶した所から始まった
「今は・・・強情にひたすら拒絶しているが俺はヤッコさんが断り切れないような、申し出をするつもりです・・・それについてどう思われます? 」
その宗一郎の戦略を聞いて、なんと驚いたことに、ジャスティンが拍手をした
「この会社の現役員達には、自分の下請け子会社に移行させればいい、もちろんこれからも、俺達が親会社として友情を持ち続けることに変わりはないと伝えろ 」
宗一郎が言った
「それでも拒絶している会社の重役は・・・突然ポッと現れた俺じゃなく、あなたと話をしたがっていますよ、あなたは誰でも説得できるし、あなたに敵う人なんていないと思っているのが、ビシバシ伝わってきますね、俺じゃ役不足です」
ジャスティンがこれにはハッキリと言った
「俺は引退したんだ、俺が口出しするならお前と竜馬が尊敬を失ってしまう、それにそのA社のハゲ親父CEOは俺は好かん、アイツは虚栄心が強く、了見が狭い」
ジャスティンはため息をついて顔を手で擦った
「じゃぁ・・・切ってもいいのかな?」
宗一郎が言った
「お前の好きにしろよ、どっちみちその頃には、俺はこの世にはいないんだ、死んでからまで責任はとれん」
その言葉に宗一郎は黙ってしまった・・・しばらくお互いを見つめ合った、やがて宗一郎が顔をしかめてジャスティンを睨んだ
「意地悪ですね・・・竜馬の前では死んでもそんな「冗談」を言わないでください・・・」
ジャスティンも言った
「嫉妬してるんだよ、宗一郎、お前こそ俺が死んだら逃げ出したりなんかしないで、竜馬を支えてしっかりやっていくんだろうな、あ?宗一郎、俺はお前に嫉妬してるが「あて」にもしているんだぞ」
宗一郎は目をパチクリした・・・あの「ジャスティン・アレン」が自分を「あて」にしていると今ハッキリ言ったのだ、宗一郎は決してバカではなかったし、彼の母は独立精神が旺盛で、人に頼らずたった一人で宗一郎を育てた、そして宗一郎の精神にも母親のそれは受け継がれていた
富や幸福は当然努力して自分でつかみ取るものだと信じていた、しかしこれほどの何の見返りもない恩恵を受けることは、人生であるだろうか
宗一郎は油断すると泣きそうになっていた