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テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで
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不破side



“覚えてないの?”


いろんな人物から何度も聞いたセリフ

この言葉を聞くたびに希望がなくなっていくのを感じる


[にゃはは覚えとるよぉー]

いつもの通り適当な返事で返して


『…』

いつもの通り、みんなは疑惑の目を向けてくる


[そういえばこの前さー]

俺はそれに気が付かないふりをして

また新たな会話を続ける



いつまで続けられるかな











三枝side


それからふわっちとはほぼ毎日連絡を取り合い、

暇な日は一緒に遊ぶ仲になった


正直、俺はかなりふわっちのことが好きだと思う

きっとあった時から…


でも、ふわっちと会話を交わしていると

節々に少し違和感を感じる


ふわっちは物忘れが激しい

いや、物忘れとかいう次元ではない


この前のホテルの件だって、なんだか

思い出自体がなかったかのような態度を示す


俺に興味がないからか?とか考えて落ち込むこともあったけど、

どうやらそうじゃない。他のことも覚えていないようだった

何かあるのなら、話して欲しいな









休日


俺は特にすることもなく、ぶらぶらと町を散歩する

今日はふわっちを遊びに誘っても断られちゃったし…はぁー


そんなどうでもいいことをもんもんと考えていると、大通りから少し外れた道に気がついたら立っていた


うぉーきたことない道だー


今まで訪れたことのない道は新鮮で

なんだか楽しくなり、いろいろ散策しながらあるく


『あ、ここって』


そんなことをしていると少し先の方に大きな病院を見つけた


ここって名医がいるって噂の病院か

かなり思い症状の患者しか入れないとかなんとか言われていたような気がする


かなり噂になっていた病院をおがめたことに少し感動し、また足を進めようとしている時だった



『え?あれってふわっち?』


その大きな病院から一人とぼとぼとふわっちが出てきた

どうしたんだろう?風邪とか?

でも、ここってかなりの症状な人しか相手にしてもらえないって…


頭の中で浮かぶ疑惑とふわっちのなんとも言えない重苦しい表情が嫌な未来を想像させる


ついて行ってみよう




俺はふわっちに尾行し、少し距離を歩いたあたりで突然ふわっちが膝から崩れ落ちた


『ふわっち!?』


[ぁ、あきな…]


『どうしてそんな顔…』


ふわっちは今にも泣きそうな、苦しそうな表情をしている


[明那…、あきな、俺。おれ、]


[もう誰も悲しませたく…ない、のに。]


[嫌だ、おれ、嫌だよぉ…もう誰も…]


ふわっちは俺にしがみつきながら支離滅裂に

話を始める


『ふわっち、落ち着いて。なにがあったの…?』

『傷つけるってどういうこと?なにが…』







[明那…俺、









明那のこと忘れちゃうかもしれない]








『え』


どういうこと…?俺のこと忘れるって、


[俺、記憶が…どんどんなくなっていって…

最後には呼吸の仕方すら、思い出せなくなるんだ]


[さっき病院で、検査をしてもらって…

そういたらかなり…症状が進行してて、もう、回復の見込みはないって…]


[俺。おれ、死にたくない。、忘れたくないぃ…]



うまく状況が飲み込めない

でも、これまでにふわっちに感じていた違和感が

今になって理解できた


忘れていたんだ。ホテルのことも

俺のことも

だから置き手紙の名前の漢字も

認識も間違っていたんだ



ふわっちが、俺のことを忘れる…?

死んでしまう…?


そんなの嫌だ

せっかく会えたのに。仲良くなることができたのに


俺はふわっちのことが好きなのに


君の中から俺の存在が消えるなんて

嫌だ。そんなの




俺は君の記憶に残りたい

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