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「里妬ちゃんはいい人です」




春になりたての桜吹雪く今日はとても天気が良かったです。

私は斎藤里妬、先程中学校の卒業式を終えました。来週の火曜からはそこそこ良い高校の高校生です、卒業式を終えた私は地面に落ちた桜の花弁を踏みながら帰路へと着いて行きます

いつもの帰り道でいつもの風景、そしていつもの考え事。私は私だけの特徴が欲しいのです。可愛い子運動出来る子かっこいい子、そんなありふれた人はそこかしこに居る。私はそんなことじゃなく特別な子になりたいのです。他の子には無い特別な子

家が見え、開いていた玄関を開けて、靴を脱いで。いつもと同じ事、いつもと同じ出来事の繰り返し。いつもと同じ部屋にある洗面所で手を洗い、お母さんに「今日の学校どうだった?」と言われ、「楽しかった」と思ってもないことを良います。だって母さんこう言わないと面倒くさいから、自分の部屋に向かう途中に兄とすれ違い「ただいま」と気まずそうに言われた、特に兄と話すことは無いので無視しました。いつもと同じドアにあるいつもと同じ「りと」と描いてあるネームプレートも気にせず部屋に入ります。今日はこのまま寝るつもりです、制服のブレザーを脱ぐと、とある事に気づきました。

部屋のテーブルに奇妙な筒状の入れ物がありました

「なにこれ…?お兄ちゃんから卒業祝い…?」

ブレザーを手に持ったまま扉の前で固まって居ました、すると突然

「あ〜けろあけろ〜♪」

背筋が凍った。耳元で突然、少年の様な、成年のような何とも言えない声が耳…いや、頭の中に耳鳴りのように響き渡った。思わず冷や汗を一粒流していた

「いや!!」

声のした方へブレザーを投げると、ブレザーはクローゼットにペシャッと当たり床に落ちた。気の所為だったのかと思い立ち尽くしているとまたもや耳の中に音が響き渡りました

「あ〜けろあけろ〜」

聞こえた瞬間身震いした、慌ててまた声のした方へ拳を振り下ろしました。しかしやはり何も居なかった、突然置いてあった奇妙な筒状の入れ物と突然聞こえてきた謎の声に恐怖を感じざるおえなかった。外に出ようとドアノブをガチャガチャ、ガチャガチャと捻っていても一向にドアが開かない

「ちょっとなんで開かないの!?開けて!!開けてよ!!変なの居るの!!」

いくら叫んでもドアノブを捻っても部屋からは出れる様子がありません

「あ〜けろあけろ〜♪」

「開けてほしいのはこっちだっての!!誰!!誰なの!!」

「あ〜けろあけろ〜♪」

ずっと同じ事を言われ、思わず耳を防ぎ扉の前にしゃがみ込んでしまうそれでも声は一向に聞こえるばかりずっと「開けろ開けろ」と言われるのを聞いて、伏せてる頭を少し上げて、テーブルの上にある筒状の入れ物を見る。

「あ〜けろあけろ〜♪」

この声が開けろと言っているのはこの奇妙な入れ物の事なのだろうか、疑いながらも四つん這いで進みテーブルに近寄り…

その奇妙な筒状の入れ物にゆっくり手を伸ばす

思ったより触り心地が良くて綺麗な入れ物を少しの間見る。

「あ〜けろあけろ〜♪」


その入れ物の蓋のような部分を手で掴んだ

力いっぱい手を捻ると、水筒の蓋のような感覚でクルッと蓋が緩まった。それと同時に重い空気と強い風のようなものに包まれた。とても立っては居られない様な空間で私は何故かこの空間に興奮を覚えて床に付いた膝を立てる。制服と髪が靡く「いつもと同じ部屋の中」で「いつもと違う日常」、私は微かに口角を上げた。力強く手を捻り、力強く足に力を入れ、目が乾きそうな風の中、うっすらと目を開ける。…キュル、キュル、キュル…と少しずつ少しずつ蓋を捻る。キュル…キュル…カランッと蓋が外れた。その瞬間、辺りには黒色のボサボサの羽根が飛び散りました。目を見開き飛び散った羽に驚きながらも一番気になった存在に目が吸い付いた。

ツヤツヤの自分さえ写りそうな黒い髪に良く似合う真っ白の血色の無い青白い肌、まるで囚人服とも言い難い純白でもないような白く袖の結ばれた服と、人間で言う白目が黒くなった目によく似合うような真っ赤な目。そしてまたも漆黒に染まったボサボサの羽をその背に宿した若々しい美青年のようなソレを見つめた。それはまさに美しい堕ちた天使…簡単に説明しよう


“私の世界”に堕天使ルシファーが来た


第一話

「里妬は人間です」

里妬ちゃんはいい人です

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