俺は、そっと胸に手を当て、話しかける。
橙『紫くん……ニコッ』
紫『ん?どうしたの?』
橙『大好きっ…ニコッ』
紫『お、俺もっ…!』
俺は橙。病気にかかっていて心臓が弱く、余命は残り1ヶ月。
生きる方法は『ドナー』のみ。
でも…中々見つからない。
紫『大丈夫…!大丈夫だから…!』
『大丈夫』って紫くんはすぐに言う
何も大丈夫なことないのに…
橙『何が大丈夫なわけ…?』
紫『え?え、えっと……』
橙『分かってもないのに、言うなよっ…』
紫『…っ!ポロ』
橙『出てって…』
紫『う、うん…ニコッ』
ガラララ
酷い事…言ったな…
まあ、もう、これでいいのかもしれない。
どーせすぐに俺、死ぬんだし。
紫くんと…仲直りは…できない…けど…
看護師『橙さんっ…!』
橙『あ、は、はい。』
看護師『手術ができます…!!』
橙『…え?』
今までは手はないって言われてた。
だから尚更嬉しい。
これなら紫くんと仲直り出来る。
看護師『ドナーが…見つかったんです…!』
これで、また紫くんと一緒に…!
ドナーくれた人に感謝しなきゃ…
〜手術日〜
紫くんは来てない。
それりゃ…そうか…
手術終わったら電話しよ
あ、でも…失敗したら…
メール送ろ…
俺は、『手術頑張るから、待っててね』
と、紫くんに送った。
〜手術後〜
無事成功。
俺は、生き延びることができたんだ。
メールを見る。
既読はついてない。
橙『メールは気づかない時、あるもんね…!
電話しよ…、、、』
また紫くんと笑える。泣ける。喧嘩できる。一緒にいれる。それが、俺の今の夢…!
でも
俺の夢は叶わなかったんだ。
橙『……ポロ』
橙『なんでっ…ポロポロ』
橙『なんでっ……!!!』
橙『俺なんかのために…!!!』
紫『…』
紫『橙くんの役に…立ちたくて…』
橙『だからって…!!!』
紫『…ポロ』
橙『…っ!』
橙『ごめん…、』
そしたら紫くんは俺に近づいてきて、俺の身を抱き寄せた。
橙『紫…くん…?ポロ』
紫『俺は、橙くんが大好き…だったよ…ポロ』
橙『っ…!』
橙『お、俺だって…!』
紫『バイバイ』
紫『もう時間だよ』
橙『待って!!嫌だっ!』
紫『ニコッ』
紫くんのその笑顔は、悲しいような、嬉しいような。よく分からない笑顔だった。
橙『ハッ……!!』
橙『ゆ、夢……ポロ』
橙『またっ…ポロポロ』
俺は、いつも、
あの日。紫くんのドナーを貰った時のことが夢に出てくる。
そっと胸に手を当てる。
橙『紫くん…ニコッ』
紫『ん…?なになに?』
橙『ニコッ』
紫くんは俺の中で生きてる。
コメント
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涙が止まらない!!!!????!!????!!!!!何故だ!!!!!????????!!!!!????!!!!???? まぁ…でも家族居なかったから良かった…………
ぴええええん涙( ߹𖥦߹ )
朝からないちゃうおおおおぉん(இдஇ; )